☆ ページ15
in side
んー
んー
なんか
なんか・・・
息が苦しい。
むぎゅーって抱き締められてる感覚がして、息が苦しくなって目が覚めてしまった。
しかも
むうー
くっ
くっ
くさい！酒、くさい！
34歳くさい！
薮ーっ！
「けーい、可愛いなぁ、お前はぁ」
「いつまでもそばにいろぉ」
「お前がいないと寂しくて死んじまう」
「好きだからなぁ」
酔っぱらいの戯れ言。
まっ
まあ、許してやるかぁ。
誕生日だし。
「俺は許さんからな。涼介との結婚はぁ」
「可愛いお前を嫁にはやらん」
「一緒に住んでくれるんなら、最悪、許す。嫌だけど」
「二世帯住宅でもいい」
酔っぱいの戯れ言。
山ちゃんとの結婚を許してくれるらしいから。
ぎゅうぎゅう抱きついてくるけど、まっ、許してやるかぁ。
誕生日だし。
「いや！やっぱり許さん！」
「涼介を八つ裂きにして食ってやる！」
「涼介を東京湾に捨ててやる！」
これは・・・
酔っぱらいとはいえ、許さん！
どうにか手を伸ばしてスマホを取って、光に電話する。何回かかけ直したら、やっと出た。
伊「助けろ！こいつをどうにかしろ！」
八「何がぁ？」
薮「おいっ！誰に電話してんだ！涼介か？許さんぞ！」
伊「薮！うるさいから！光！助けろ！」
八「ぶははははっまあ、誕生日だから大目にみてやれよ」
どうやら助けには来てくれないらしい光が憎らしいと思ったけど、対処方法を伝授してくれたから、電話を切ってスマホを放り投げて、咳払いする。
ぎゅーって薮に抱き付いて、口を開く。
伊「薮、薮の事がいちばん好きだ。これからもずっと一緒に居ような。やーぶ」
薮「・・・・・ふへへへっ」
へにゃって笑った薮が、俺を抱き締めてる腕を緩めて、優しく抱き締めてくれた。
あとは、へにゃへにゃしながら目を閉じて「けーい」って言いながら、眠りに入ったらしく、そのうち軽いいびきが聞こえて来た
流石、光だ。
薮の扱いが分かってる。
やっと寝られると思って、目をつぶる。
薮は俺の事が好きだからなぁ。
俺が薮と離れたくないんだからな。やーぶ！
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作者名：昨日 | 作成日時：2024年1月20日 9時
