フープピアス2 【青】

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翔「…」


『…』




無言でもこんなに心地いいのは何でなんだろう。


今日も今日とて、おれはAと秘密の時間を交わす。

と言っても、おれが勝手に邪魔してるだけで

本当は一人でいたいのかもしれない。

Aの優しさで追い返せないだけかもしれない。


でも、少しの可能性を信じておれは今日もまた今度もここに来るつもりだ。





翔「…A、涼太の子どもに会ったんだってな」


『うん、会ったね。

麗ちゃん、可愛かったなあ』


翔「おれも、こっち来る前に会ってきてさ。

写真みる？」


『え！？見たい見たい！』




Aの隣に行く作戦成功。

やり方はちょっとずるいけど、仕方がない。





『うわあ、私があった頃より大きくなってる！』


翔「ちっちゃい子の成長早いよな。

ほら、これは昨日送られてきたやつ。

お座り上手になっててさ」


『あ、それ私にも送られてきた！』


翔「まじ？さすがだな」


『うん！ほんとに可愛い〜…！

会いたくなっちゃうなあ』


翔「…じゃあ、今度一緒に行く？」


『…え？』


翔「っ…いや！ごめん。調子に乗った」




可愛い笑顔が急速に消えた。


“ 彼女がまだ君を好きとか思わない方が身のためだよ ”


深澤さんから言われた言葉が反芻して、苦しくなる。

やっぱり、もう…だめなのか。





『…翔太が、帰っちゃう頃までには考えとく』


翔「…え？」


『だから、その頃までにはきちんと答え出すから

もう少しだけ整理する期間が欲しい』


翔「全然いい！！おれ、待ってるから！！」




心が大きく舞い上がる。


もう、それだけで十分だ。



少しでも、もう一度君の心に入り込めたなら

それだけで…。





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