Toothbrush|39 ページ40
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『ねぇ、このトップス黒と青どっちがいい?』
「お前は青の方が似合う」
『じゃ、青にする』
ご機嫌に鼻歌なんて歌いカゴに服を入れていく
お昼時を過ぎ、今は買い物最中なのだ
『松田は?何かいいのあった?』
「あー...俺はいい。今あるので充分だし」
『そう?ならお会計してくる』
カゴを片手にレジへ直行。ブティックの袋を下げて既に店の外で待機する松田の元に戻る
「...あんま買い過ぎんなよ。俺は荷物持てねぇんだから」
『別にそこまでひ弱じゃないわ』
「荷物は持ってやりたいモンなんだよ」
へぇ、そういうもんなのか
いまいちピンとこないが相槌を打って返す
後は二人で適当に店を周りながら他愛も無い会話を交わして
大規模なショッピング内から出た途端歩き過ぎて足が棒になる状態だったので人目のつかないベンチに腰掛けた
『そう言えば、今日松田まだ煙草吸って無かったでしょ』
バックの中を漁りコンビニのレジで頼んだ、75番の銀のパッケージを手渡す
『周りの目には気を付けて』
「分かってるって」
煙草の先端に灯したライターの火がジリジリと灰色に落ちていく
少し肌寒いぐらいの風が煙草の煙を揺らし、消え行く方向を眺めれば__
__リンゴーン
祝福のチャペルが鐘の音が響いた
『__わ、見て松田!結婚式やってるわよ』
「ほんとだ」
木々の隙間のその先に、純白のドレスとタキシードに身を包んだ新郎新婦が仲睦じく腕を組んで歩いていた
周りの家族や親戚、知り合いらしき人々が参集する
無数の花びらが宙を舞っていた
「__なぁ、Aはさ、」
『うん?』
向こう側の幸せムードに祝福の念を向けていれば、松田も式場に目を向けたまま声をかけてきた
「__結婚願望とかねぇの?」
深層意識
画策の念
吐露の催促
私達に響くのは。
...幸せのチャペルなどではなく警鐘で。
『...結婚願望、ね』
無かったと言えば嘘になる。憧れはあったし興味もあった
それでも
__松田に“未来”の文字は無くて
__私の未来に“松田”の文字は無くて
『女にとって、結婚して子供産んで。
__家庭を築く事が幸せだとは限らないのよ』
__でもね、と繋げる
『私は松田が居なくなったその瞬間から、結婚だの家族だのはもう興味無いのよ』
視線を交えた彼にゆるやかに微笑んで見せた
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ふぐひらめ(プロフ) - 自分の目が土偶のように腫れあがってしまいました。松田も西城ちゃんも悪くないんだよなぁ、でも報われねぇんだよなぁ…。もし余裕が出来ましたら、この二人の普通にイチャコラしてる話が読みたいです!生前の、になるのか別世界パロになるのかはお任せします。 (10月9日 11時) (レス) @page50 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 大変面白く、続きが気になってしまって一日で読破してしまいました…何処を探しても、こんなに泣いて考えさせられた小説はありません…!素晴らしい作品を、本当に有難う御座います! (9月30日 9時) (レス) @page50 id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 何度見ても涙が止まらないです。本当に、なんで死んでしまったのでしょうかね (5月7日 14時) (レス) id: 86ac079c04 (このIDを非表示/違反報告)
kaki - こんばんは。何度も何度も読んでも涙が止まらないです、、涙が枯れるかと心配になるほど、出てきます。素敵なお話をありがとうございました。 (5月6日 23時) (レス) id: 9254c6c927 (このIDを非表示/違反報告)
ミートボール(プロフ) - こんばんは。初めて小説を読んで声が出るくらい泣きました。とても読み応えがあって、「何度でも読みたい」と思う物語でした、、!たくさん小説がある中でこの小説に出会えて本当に良かったと思いました。素敵な作品を描いてくださって本当にありがとうございました。 (2023年3月21日 0時) (レス) @page50 id: abe3749231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年8月12日 2時