おい、歯ブラシ忘れてんぞ。【松田陣平】

Toothbrush｜３６ ページ37

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『あ"ーーねむ"。カフェイン...』



半ば閉じかける瞼には眩しいぐらいの電灯のコンビニ内で、何とか指先に力を入れてボックスからコーヒーを取り出す



美和子も同様にコーヒーが握られていた



それぞれが会計を済ませ、自動ドアから外へ出ると美和子が思い出したように声を上げた




「A、そう言えば煙草は買わなくて良かったの？」


『え？』



間抜け面で美和子の顔を凝視する



確かに煙草は毎日購入しており、今日は早朝に買っておいて松田に渡したからなんら問題無いのだが＿＿それよりも




『...何で私が煙草買ってるの知ってたの？』



もしかして煙草の匂いが染み付いてた？




「じゃあやっぱり本当だったのね。......私じゃないけど、他の部下がAが煙草買ってるの見たって言ってたから」



美和子の知るきっかけとなった説明になるほどと納得。見られていたなら仕方無い




「でも変よね」


『何が？』


「煙草を買い始めたって噂を聴いた後だって、Aが煙草を吸ってるとこなんて一度も見た事無いし、それにA自身から煙草の匂いもしない。




＿＿ねぇもしかして...」




美和子の次の言葉にゴクリと生唾を呑み込む




「恋人でも出来た？」




ｱｯそういう見解ですかそうですか。断じて違いますね



張り詰めていた脳内にほんわかした空気が流れた。だがしかし




「居るなら言いなさいよ水くさいわね！」


『いや、ちが...』



おっとーー？？これはどう乗りきったものか



『えーと、最近コンビニの煙草コンプリートするのに嵌まってて...』


「はぁ？コンプリート？？」



うっわひでぇ。自分でもこれは無いわバレるわ。絶対深堀され＿＿




「A...そんな趣味あったの。中々マニアックね」




なかった！！万歳！！！深夜テンション！！！



取り合えず誤解(？)を無事解き安堵の溜め息



白い息を吐き出して、早く松田とビール飲みたいなと思いながら警視庁に戻った

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