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「....ここどこだよう...」
さて、走り続けたは良いものの私は全く知らない所にたどり着いてしまった。
泣き喚きながら迷子って子供じゃん。ほんと、情けない。
さっきから電話が鳴り続けてるけど、どうせ怒られるんだろうし今は出たくないし出る気もない。
ほんの息抜きだと思って散歩しよ。余計迷いそうだけど。
「.....はぁ、さっむ。」
迷うのはやっぱり嫌で渋々来た道を勘で戻りながら薄着で飛び出してきたのを心底後悔してる。寒過ぎる。
とぼとぼと歩き続けて疲れ、ふと目に止まった公園のベンチに寄ってちょっと休憩。
やっぱり何度も頭に浮かぶのはあのテンのびっくりした顔。ふん、ざまあみろ〜だ。私を無視するからだ。
....いや違う。謝りに行ったはずなのにまたすれ違うなんて、ん〜。うまくいかないもんだなぁ。
またテンと一緒に楽しく話したいし、ご飯も食べたいし遊びたいし前みたいにくっついてたかったけど、もう無理かな。手遅れかなあ。なんてマイナス思考ばかり浮かんでくる。
外もだんだん暗くなってきて、気温はより一層冷え込んでくる。
「.....会いたいな。」
さっき出し切ったと思ってた涙が、また出てきたみたい。
その時、また一つ電話が鳴った。もうそろそろ出ようかな、とポケットからスマホを取り出して画面の名前を見れば、意外にもテンだった。ずっと鳴り続けてたのも、テンから。
出るのに躊躇したけど、恐る恐る通話ボタンを押す。
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作者名：のちゅにむ | 作成日時：2022年1月24日 15時
