See My True

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『あら？A？きてたの？』









聞いたことがある嫌味っぽい声が後ろから聞こえて振り返って見ると、私が苦手な姉がシャンパン片手に立っていた。








あの、気高く上品なローズの香りは姉の香りだった。







「あ、奈緒、、うん。今年は参加してみた。10月から私のオフィスこっちになるから、、」








姉を前にすると言葉の最後が小さくなる。









『そう。オフィスがこっちに来て調子乗って人の足引っ張るのはやめてね。特にあたしの名前をけがすようなことはしないで』








作り笑顔を浮かべた姉が嫌味を言ってくるのはいつもの事だ。









「うん。そうならないように頑張る」








『あっ！奈緒！お前ここにいたのか！！探した』







甘いけど少しスパイシーな香りの人が来た。







『ごめん剛典。妹を見つけて話していたの』







先程の作り笑顔ではなく、綺麗な笑顔で姉は答えた。





その相手はさっき、壇上で挨拶をしていた副社長の剛典さんだった。








姉の綺麗な笑顔を見た時、姉は本当に剛典さんが好きなんだろうと思った。








『へえ〜、この方が奈緒の妹さんか。うちの子会社に勤務してるんだよね？奈緒から君については色々と聞いている。初めまして、岩田剛典です』









と素敵な笑顔で私なんかに挨拶をした剛典さん。







素敵な笑顔だなって思いながらも私の脳を独占するのは、姉がこの人に私の何を話したのだろうと言う疑問だ。







「妹の椎木Aです。」








姉がいる前では到底、笑顔は作れなくて、姉がこの人に何を話したのかが気になって、表情を意識することを忘れぶっきらぼうに返した。








『よろしくな』








と笑顔が素敵な剛典さんは私に片手をさらりと出してきた。







「こちらこそよろしくお願いします」







私も手を出し両手で握手をした。







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