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「ちょっと、話そうか。」
坂本くんが、自分の隣のイスをトントン
と叩く。
「…………ん。」
ここで喋っちゃったら、
また、健だけが知らないことになる。
「仕事戻らなきゃ…。」
「ダメだって。」
岡田が腕を掴んで止める。
「……健のとこ、剛、行って？」
そういうと、私の頭に一度だけ
手を乗せて、健を追いかけて行った。
こんな早く、バレちゃうなんて
思ってなかった。
久しぶりに、目の前で
苦しそうな健を見て、
自分のことを止められなかった。
「なんで、消えたの？」
長野くんが諭すように問いかける。
「……なんでって、」
「なんで？」
わかんない。
いや、分かってる。本当は。
言いたくない。
「A。」
井ノ原くんが、
言った方が楽になるよ、と
目線を合わせてニッコリ微笑む。
「私がそばにいたら、健がダメになっちゃう。
いなくなるしか、方法がなかったの。」
言葉が堰を切ったように、
涙とともに溢れ出てくる。
「ちょっと、ファンの人の嫌がらせとか
続いてて、それに健も絡んでてね？
健はたぶん、気づいてないふり
してたんだろけど
全然、隠せてなくてさ？」
机の上にできていく水たまり。
泣きたいのは、みんなの方なのに。
「このまま健に、ストレス与えちゃったら、
多分、いつか、壊れちゃうなって、
わかってた。
でも結局、10周年のときまで引き伸ばし
ちゃって。
みんなの顔、見ちゃうとさ、
あと1日、あと1週間、って、だんだん
離れたくなくなっちゃうの。
10周年のライブのとき、
6色のペンライト見てて、
白がなくても、十二分に成り立ってる。
だから、もう、お別れしようって
決めたの。」
.
.
勝手だよね、ごめんね、
という私の最後の言葉は
岡田の声によって遮られた。
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みかん(プロフ) - ちょっとうるうるしながら毎回読ませてもらってます！カミセンの12ヶ月に合わせたのとか読んでみたいです！ (2016年1月15日 16時) (
レス) id: 07cdc35e98 (このIDを非表示/違反報告)
榛野 - みゆさん» 私もファイトどハマりなう笑 なんか、ファイトがモチーフの小説みたいになってきてんけど、これはやばい笑 どないかせないけんわ笑 (2016年1月15日 7時) (レス) id: 37d37d5c10 (このIDを非表示/違反報告)
榛野 - 郁さん» いやいやいや…笑 嬉しい限りです笑 照れます笑 これからもよろしくお願いしますね！！ (2016年1月15日 7時) (レス) id: 37d37d5c10 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - これきっかけにさいきんファイトはまってて聞きながらこれ見てたら、ほんとやばい。ほんとにやばかったよ。 (2016年1月15日 0時) (レス) id: 8eec97ac09 (このIDを非表示/違反報告)
郁(プロフ) - 榛野さん» そんなこと言っていただけるとは…！榛野さんみたいにもっと心情表現とかできるようになりたいと思いながら書いてます…笑 (2016年1月14日 19時) (レス) id: 2473d5fb41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：榛野 | 作成日時：2015年12月16日 18時
