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暗闇の再会 ページ30

辺り一面に広がる暗闇。

歩く、というより飛んでいる…と言う方がしっくりくるこの空間に、上弦の弐に取り込まれたしのぶはいた。

今しのぶが向かうべきは、この先の温かな光が見える場所なのだろう。

そこへ行けない理由、それは上弦の弐がどうなったかが気になるからだ。

伊之助はカナヲと合流することが出来ただろうか。カナヲは無事アイツを倒すことができただろうか。

しのぶとAが託したあの子たちがどうか無事であってほしい。そんな願いから、この生と死の狭間と言うべき空間に留まっていた。


「しのぶちゃーん!」

「……!」


耳障りな声で自分の名を呼ぶのは紛れもなく上弦の弐だった。

ああ…この空間に、しかも頸だけな状態でいるということは、カナヲは無事この男の頸を斬ってくれたんだな、と安堵する。


「良かったです。これで私も安心して成仏できます」


しのぶのそんな言葉など気に留めることもなく、上弦の弐はウキウキとしのぶに話しかける。


「ねえしのぶちゃん、俺と一緒に地獄へ行かない?」


この言葉には流石のしのぶも「はい?」っと額にピキピキと青筋を立てた。

その時、上弦の弐の頭が誰かの手によってガシッと掴まれる。


「あなた一人で地獄に行って下さいね」

「……!」


頭を掴んだのは、もう会うことができないと思っていたAだった。

「A……!」

「あれぇ?君も鬼殺隊の子??」


ここにいるってことは君も死んでるんだね!と明るく言ってくる上弦の弐に苛立ちを覚える。


「あ、もしかして君が猗窩座殿に殺された子?」

「…しのぶ、何かこいつムカつくんだけど」

「同感です」


互いに顔を見合わせたあと、二人は同時に頷き、ブンッと頭を投げ飛ばした。


「とっととくたばれ、クソ野郎」







「A、その手ちゃんと消毒して下さいね」

「………そうする」


お互いに暫く沈黙していると、しのぶが口を開いた。


「…勝手にいなくなって、酷いですよ」

「うん、ごめん」


困ったように笑うAを見て、しのぶも困ったようにつられて笑う。


「そろそろ行きましょう」


だが、Aは動こうとしない。


「A?」

「…ごめんね、私はもう少しここにいるわ」

「……そう、ですか」


理由は敢えて聞かない。


「しのぶ、“またね”」

「……!はい、また」

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双葉(プロフ) - 夢村ほたるさん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメント嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年2月9日 10時) (レス) id: eed200f551 (このIDを非表示/違反報告)
夢村ほたる - 自分がでてきて本当に嬉しいです (2022年2月7日 8時) (レス) @page2 id: 7302bc0929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:双葉 | 作成日時:2021年12月30日 15時

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