ほんならまた、来世でな〔虹〕*

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重「俺な…… 病気、やってさ…。」


「え…？なんか、言われたん…？」








何の前触れもなく、

しげの口から出たのはそんな言葉。




検査結果が出るのは

もっと後やと思ってた。








重「…ほんまは嘘やねん。
この前検査した日に、結果は聞いてて。」


「… ほんで、どこが悪いん……？」








そう聞いたら、

長ったらしい聞いたことない病名と共に




しげの身体で起こってることを

ただ淡々と教えてくれた。








重「…いつ倒れてまうか、分からんらしい。」


「…治療は？薬とか、ないの？」


重「あんのはある。…けど結構通院も必要で。」


「あんねんやったら、受けるんやんな…？」









そう言うと、

しげは困ったように笑う。








重「…うん。受けたいとは思ってるで？
けどほんま、…めっちゃ迷惑かけてまうと思う。」


「そんなん、…身体治すためやのに
誰も迷惑なんて思うわけないやろ…？」


重「分かってんねん… みんなの優しさ。
絶対、支えてくれるんは分かってる…。」


重「けどな… だからこそ、申し訳なくて、
病気のことも話せんかったんや…。」








そんな大事なこと

教えてくれたらすぐ支えんのに…。








そう思ったけど、




俺らに話せへんかったのには

俺らにも原因があったんやろうな。








無駄に過保護なとことか、




しげは人一倍気遣うから嫌やったやろうし…。








「ごめん… すぐ気づいてやれんくて…。」


重「なんで神ちゃんが謝るん？
黙ってたの…、俺やねんから。」








ほんまごめんな、ごめんなって、




なんも悪いことしてへんのに

しげは何回も何回も謝ってくる。








そんなしげに掛けてやるべき言葉が

すぐに見つけられんことが悔しかった。








「俺はさ、…代わってあげられへんし、
しげのしんどさとか、全部は理解出来ひんと思う。」


「けど、近くにおることは出来るから…。
そんなん何の助けにもならんかもしれんけど、
俺らのこと、…頼ってええんやで？」


重「うん… ありがとうな、神ちゃん。
みんなにも、ちゃんと話すつもりやから…。」


「絶対受け入れてくれるから。
だから、ひとりで溜め込まんとさ……っ、」


重「ちょっ、やめてや… 泣かんとって…？」








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苦しいのも泣きたいのもしげやのに、








ただ悔しくて、悲しくて、




溢れてくる涙が止まらんかった。

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