ほんならまた、来世でな〔虹〕*

09. ページ9

神山 side .








しげは検査の日の夜には退院出来たけど、

大事を取って仕事はしばらく休み。









個人の仕事は落ち着いてたし、

ラジオとかバラエティは日ずらしてもらって




しげが一番気にする仕事の穴は

なんとか作らずに済んだ。








あとは検査の結果が何もないことと、

しげの体調が早よ戻ればええなあって。








.








そんなことを思いながら、

数日経ったその日。








休みやったからゆっくりめに起きたら

不在着信が1件入ってた。







「……あ、しげ？おはよう。」


重『神ちゃん、ごめんな。』


「ううん、寝とって気づかんかった。
…どないしたん？」


重『いや…… 今日さ、休みやんな？』


「ぉん、…せやで？」


重『もし何も予定なかったらさ…、
ちょっと、来てくれへんかな…。』








しげにしては珍しいぐらい、

やけに遠慮がちに頼んでくる。




今日は予定何もないし、

俺も気になってたからお安い御用やわ。








「ええけど、…体調悪いん？
なんかいるもんあったら買って行くで？」


重『ううん、大丈夫。
なんも気にせんと、手ぶらで来て。』


「分かった。ほんなら夕方行くな？」


重『ありがとう。…待ってる。』








それだけ言うと、

プツリと電話が切れた。








声だけ聞いてたら

まだちょっと体調悪そうな感じもする。




とりあえず食べ物とか適当に持って行こか。








.








重『……はーい。』


「俺、開けてぇ〜！」








スポドリとかお粥とか




体調悪い時に食べれそうな物を買って

しげのマンションに向かう。








オートロック鳴らしたら

すぐに鍵開けてくれた。








重「…よっ。ごめんな、…上がって。」


「ちょ、大丈夫なん？」


重「ぉん…、こっち。」








ちょっとは体調

マシになってんのか思ったけど、




相変わらず足元フラフラしてて

目にはあんま力がない。








そのままリビングに案内されたけど、

部屋は殺風景で

明かりも全然付いてなかった。




生活感ないけど

ちゃんと食べてんのかな…。








「あ、…しげ、これ飲みもんとか買ってきた。」


重「ああ…、ありがとう。」








.








俺が買ってきた物を

そのまま冷蔵庫に入れたあと、








リビングに戻ってきたしげは

黙って俺の前に座った。

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