ほんならまた、来世でな〔虹〕*

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藤井 side .








点滴が始まってからすぐに

寝てしまったしげは

結局そのまま最後まで起きひんくて。




俺も明日は個人の雑誌撮影あるから

マネージャーを呼んで

しげを任せることにした。








「すみません、途中で。」


マネ「いえ。病院までありがとうございます。
重岡さんは、責任持って連れて帰りますので。」








頼もしいマネにしげを託したあと

俺も病院を出てタクシーを拾う。




1人になってももちろん、

しげのことが頭から離れんかった。








事務所入った時からずっと一緒におるし、

しげが体調崩すところは

割と何回も見てきたはずやねんけど、








やっぱり今回ばかりは違う。




何がって言われたら分からへんけど、

すっかり弱ってしまってるし、

仕事も思うように出来てないし、








しげが、しげらしく笑えてへん。








.








それから3日後、

その日は久しぶりに全員集まる日で、




廊下を歩いてたら淳太と会った。








中「あ、流星やん。おはよう。」


「ぉん、おはよう。」


中「この前ごめんな。
あいつ、あのあと大丈夫やった？」


「いや… だいぶうなされとったから
病院連れてって点滴受けさせた。」


中「そっか… ありがとうな。」








一応レギュラー番組の撮影やけど、

もちろんしげは欠席。




本人は嫌がると思ったんやけど、

公には個人の仕事ってことにして

休ませようって。








中「あいつがあんななってると
ほんま調子出えへんわ。」


「淳太のツッコミ労力も減るもんな。笑」








そんなことを話しながら、

楽屋に着いて流れるように扉を開ける。








ほんなら俺らより先に

すでに楽屋に来てるやつがおってんけど、








「えっ…」


中「は？しげ、…なんでおるん？」


重「おおっ、おはよう！」








それは絶対ここにおるはずない

マスク姿のしげ。








中「おまっ、大丈夫なん？なんで？」


重「もう熱下がったし、
喉もようなったから来たんや。」


「しんどないん？」


重「ぉん、今日はまじで調子いい！
2人ともこの前はありがとうな。」








マスクしてるからよう分からんけど、




倒れた時に比べたら

確かに顔色は随分といい。




無理してるようには見えへんし

声にもハリがある。








ほんでなにより、








いつも通りニコニコ笑ってる姿見れたんが

素直にめちゃくちゃ嬉しかった。

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