ほんならまた、来世でな〔虹〕*

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神山 side .








ほんまは夜の1泊する様子も番組内で

放送する予定やったんやけど、




しげはそのまま一回も起きひんぐらい熟睡で

体調のことも考えてなしになった。








中「とりあえずみんなお疲れさん。」


桐「しげは寝とるけど… 乾杯っ！」








しげには申し訳ないと思いながらも

俺ら6人とスタッフさんで打ち上げをして、




その日は疲れてたから

みんなも日をまたぐ前には眠りについた。








.








俺もかなり熟睡してたはずやねんけど、

途中なんとなく嫌な予感がして

目が覚めてしまった。








俺はしげと望と流星の4人部屋で、

布団はしげの隣。




けど、真っ暗な中隣の布団を見たら

寝てるはずのしげがおらんかった。








「しげ…？おる…？」








トイレでも行ってんのか思ったけど

そこにも誰の姿もなくて、








しんどなってどっかで耐えてんのかなとか、

熱でおかしなったんかなとか、




ただ嫌な予感だけが頭をよぎった。








とりあえず探さな…。








そう思ってロッジを飛び出したら、

しげの姿は案外あっさりと見つけた。








「しげ…っ！何しとるん、風邪引くやろ！」


重「ああ、神ちゃん…。
ごめん、寝れんくなってもうてさ。」








しげがいたのは、

さっき俺らが最後の挨拶を撮った場所。




寒空の下やのに薄着で、

しげはボーッと空を見上げて座ってた。








「ん、これ着て。」


重「いや… 神ちゃん、寒いやろ。」


「あほ。人のことはええねん。」








自分の着てたパーカーをしげに着せて

俺もその横に座る。




そしたらしげは寒そうに腕さすってるから、

やっぱり寒かったんやんけって

ちょっと呆れた。








「…で、何考えてたん？」


重「いや…… 別に。」


「別に何もなかったら、こんなとこ来んやろ？」








そう聞いたら、

しげはポツポツと喋り始めた。








重「なんか… 最近同じ夢ばっか見んねん。」


「うん。…どんな夢見んの？」


重「多分場所は東京ドームやねんけど、
そこに、立ってる夢。」


「へえ… 良い夢やん？」








それは素直な感想やったのに、

しげはプルプルと首を横に振る。








重「全然… ようないねん。
お客さんもメンバーもおらんくて、
ひとりぼっちで… 立ってんねん。」








そう話すしげの声は、不安げに震えてた。

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