13-40 傍にいたい ページ40
◆ 2004.12.16 / 11:55PM ◆
・・《A》・・
そんな顔されても無理なものは無理だし、嫌なものは嫌なのよー!
早く…こやつめから目を逸らさなければ、と思い立って瞬時に顔を逸らした。
『ヌナ……』
そう聴こえて視線をチラリと走らせると、イ・ドンヘが立ち上がっていた。
『なっ?来ないでよ?そこにいて!そうじゃないと追い出すわよ!』
来るなという事を示す為にも両手を前に突き出しているのに、ヤツは止まろうとしない。
そうこうしている間にイ・ドンヘは私の元に辿り着き、真隣に腰を下ろしてしまった。
『何でそんなに焦ってんの。何もしないよ?』
今、こいつフッて小さく笑ったんだけど、何か余裕がある感じが気に入らない。
ていうか…な、何かってなによ。変な事したらぶっ飛ばす!
…と、最早声にならないほど実は焦っていて、武器になるものを手探りするけれど、何も手に当たらない。
読んでいた本すら足元に落ちてしまっている始末で、とりあえずお尻をずらしてみるとその分の間をすぐ埋められてしまった。
それを繰り返したがとうとう肘置きにお尻が当たってしまい、軽く追い詰められた状況になった。
『な、何だって言うのよ』
『傍にいたいだけ。俺には明日はないでしょ?だから今だけ、二人の時だけで良いから……傍にいたい』
声は低くて甘い大人の声なのに、甘える顔は母性を搔き立てる表情。
それで傍にいたいだなんて言われた日には、大概の女が迷わず落ちるはず。
だけど私だけは落ちないわよ!
その想いとは裏腹に、ボンッと頭から湯気が出た気がした。顔…熱い…。
『…ち、ちがーう!違う違う違ーーう!』
キョトン顔のイ・ドンヘを睨みつけながら、オッパ、これは違うの、と必死に心の中で弁解していた。
確かに不覚にも照れてしまったけど、ただ免疫がないだけだから!
『俺…どうしよう。本気でヌナの傍にいたいみたい。もう……どうしてくれんの?』
今にも泣き出しそうなくせに目だけは鋭くて、何故か睨まれてるんですけど………は?
『知らないわよ。意味分かんないんですけど。勘弁して』
『意味分かんないのに何で気づかせるんだよ。俺こそ勘弁して欲しい…早く目を覚ましたい…』
嘆く様にして両手で顔を覆うイ・ドンヘの頭上が目の前にある。
まさかあんた…まだ夢だとか思ってるわけじゃないでしょうね?
それならこの拳であんたの頭を思い切り殴ったら、目を覚まさせてやれるかしらね!
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モジョ(プロフ) - ☆さん» >☆さん★ アハッ!いつも☆さんからのコメントに笑っちゃいます ( ´艸`) センス良過ぎて面白いです!あっちゃ〜でしょ。イ・ドンヘ。悪気はないんでしょうけどねぇ(^▽^;) 困った子だ。それが…アホの子(笑) (2014年3月13日 0時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - あっちゃ〜…イ・ドンヘ…(´Д`;) (2014年3月8日 9時) (携帯から) (レス) id: bef05bddeb (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - ☆さん» >☆さん★ ふふふ…センスの良いコメントありがとうございます ( ´艸`) イ・ドンヘ…について全然書いてないので、犬っころちゃんがどんどん嫌な感じになってしまうのが悩みどころです(; ̄^ ̄)むぅ… (2014年3月2日 3時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - …イ・ドンヘ…(-◇-;)Part2(笑) (2014年2月23日 9時) (携帯から) (レス) id: bef05bddeb (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - Rinkaさん» >Rinkaさん☆ こちらこそいつも嬉しくなるようなコメントを下さって、ありがとうございますm(__)m こうして楽しみに待って下さっている方がいるんだなと思うと、幸せだなぁって、ほっこりします(*´□`*)♪ そんな幸せをいつも下さってありがとうございます♪ (2014年2月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モジョ | 作成日時:2014年1月20日 22時