13-26 恋しがってる。 ページ26
◆ 2010.12.17 / 0:55AM ◆
・・《HeeChul》・・
「ところでお前、さっきトゥギにお元気でって言ったろ?あれはどういう意味だ?」
「……きっともう会う事は出来ないでしょうから」
それは事務所を辞めるだけではなく、女優の仕事を辞めると言う事か、と尋ねるとレイナは哀しそうに頷いた。
女優の仕事は好きでやっていたから辞めたくはないけど、きっと他の事務所をあたってももうどこも雇ってくれないと思うからだ、と。
騒ぎを起こしてドラマのキャストからも外されたのは世間に知られているし、所属事務所に切り捨てられた事も俺らがいる業界内では知られているだろう。
問題を起こすようなやつを拾うところなんてないだろうな。拾ってもその後もまた仕事を取るのに苦労するだろうし。
少し可哀想に思えたが同情するのもどうかと思って、それなら先の事を何か考えているのか、と普通のトーンで訊いた。
「いえ……正直に言うと何も。オッパほどではないですけど、少しは有名になったのでそこら辺で働くのは無理だと思うし…」
色々考えていて、芸能界を辞めて留学するという話をよく聞くから自分もそうしようかとも思ったらしい。
「でも…一人で知らない土地に行くのは心細いし、家族や友達と離れてしまうのも寂しいしなと思って…」
視線を落とすレイナの姿を見て、俺は誰もいないはずの左隣に顔を向けた。
“全部私が決めたのよ―。平気よ、こんなの大した事ない――。自分だけは信じてやらなきゃ―――”
顔を伏せるどころか視線を下げる事もせず、真っ直ぐ前を向いて言葉を詰まらせる事なく話すAを思い出していた。
レイナは周りに家族や友人がいるからそう思うんだろうな。
家族も友人もいないやつは心細いと思う事すら出来ない。思ってしまえば真っ直ぐ立てなくなるからだ。
心細くないはずがないのに、自分が決めたんだと言い聞かせる事で自分を保って来た。
泣きもせず、寂しいと漏らす事すら出来ずに……しっかりと背筋を伸ばすA…。
今すぐ抱きしめたくて腕があいつを恋しがってる。
「オッパって実はかなり分かり易い人だったんですね」
顔の向きを戻すとレイナがクスリと笑った。
「今もさっきも彼女さんの事を考えていたでしょう?私といた時のオッパと顔が全然違う」
口を開き掛けて、咄嗟に横を見るとジスヒョンが戻って来ていた。
またAの話をすれば小言が飛んで来そうな気がすんな…。
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モジョ(プロフ) - ☆さん» >☆さん★ アハッ!いつも☆さんからのコメントに笑っちゃいます ( ´艸`) センス良過ぎて面白いです!あっちゃ〜でしょ。イ・ドンヘ。悪気はないんでしょうけどねぇ(^▽^;) 困った子だ。それが…アホの子(笑) (2014年3月13日 0時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - あっちゃ〜…イ・ドンヘ…(´Д`;) (2014年3月8日 9時) (携帯から) (レス) id: bef05bddeb (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - ☆さん» >☆さん★ ふふふ…センスの良いコメントありがとうございます ( ´艸`) イ・ドンヘ…について全然書いてないので、犬っころちゃんがどんどん嫌な感じになってしまうのが悩みどころです(; ̄^ ̄)むぅ… (2014年3月2日 3時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - …イ・ドンヘ…(-◇-;)Part2(笑) (2014年2月23日 9時) (携帯から) (レス) id: bef05bddeb (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - Rinkaさん» >Rinkaさん☆ こちらこそいつも嬉しくなるようなコメントを下さって、ありがとうございますm(__)m こうして楽しみに待って下さっている方がいるんだなと思うと、幸せだなぁって、ほっこりします(*´□`*)♪ そんな幸せをいつも下さってありがとうございます♪ (2014年2月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モジョ | 作成日時:2014年1月20日 22時