シークレット・ストーリー

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「松潤〜？聞いてる？」






ハッ、と我に返ると







「あ、聞いてなかったでしょ〜」







「…わり」







相葉さんがニコニコしながら俺を見ていた。







「今日、相葉会やんの。可愛い女の子いっぱいいるんだけどさ〜松潤も来ない？」







「…毎晩やってねぇ？それ」







相葉雅紀の、相葉雅紀による、相葉雅紀のための会。







特定の相手を作らず、でもいろんな女と毎晩寝てる。







そんな相葉さんの選りすぐりの女たちと過ごす夜は、最高だ







なんて、社内の男たちの中で静かに話題になってる相葉会。







「だって松潤最近元気ないんだもん。
だから、可愛い女の子に囲まれてさ〜1人くらいなら持ち帰っていいよ。そしたら元気になれるよ」







「なれたらとっくに元気だわ(笑)」







そう言った直後、元気じゃないことを無意識に肯定したことに気づく。







「素直じゃないんだから。
最近カラ元気すぎるからね？皆心配してたよ」







はぁ、とため息が出た。








「…女？」








「まぁ、そんなもんかな」









Aと中田くんと会ったあの日から








Aのあの表情が頭から消えない。









Aと中田くんが肩を並べて歩いていたあの光景が頭から消えない。







2人に会ったら、決別できると思っていた気持ちが







さらに、複雑に絡まり合う。







Aのためを思ってした決断が







Aのあの表情を見て、鈍る。






「ほんとに一途だね、松潤は。
そんなんじゃいつまでたっても結婚できないよ？」







相葉さんが、いつも飲んでいる野菜ジュースを飲みながら、笑う。








「相葉さんこそ、毎晩違う女といたら運命の相手を無意識に逃してるかもよ？」







「…そう、かもね」







笑いながらそう返した俺の言葉に、相葉さんが悲しい笑顔を浮かべる。






「…相葉さ「好きな人がそばにいるときに、ちゃんと好きって言わないとね。
松潤ファイト〜(笑)」







相葉会、考えといてね〜と言って去る相葉さんの背中を見つめる。








…俺が、Aを忘れられないように








あの相葉さんにも、忘れられない女がいるのだろうか。とボンヤリと思った。

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