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次の日、実家に帰って。
今まであったことを、全て話した。
俺とAの告白を聞いた母さんは
…知ってたわ。と。
それだけ、ポツリと呟いた。
「昔から、そうだったもの。あなた達がお互いを見る目は。恋をした男女、そのものだった。…母親の私が、気づかなかったわけないでしょう?」
声を震わせて。でも、笑顔で。
母さんが語る言葉が。
心に、刺さる。
「認めたく、なかった。本来は認められないでしょう?でも、自分の子供がまさか。…まさか、こんなことになるなんて。って。
たくさん、葛藤したわ。言うべきか。言わないべきか。…お父さんがいればどうにか出来たのでしょうけれど。私にはできなかった」
隣で、Aが嗚咽を漏らす。
「Aが結婚するって聞いて、とても安心してたけど。…やっぱりそうだと思ったわよ」
呆れたように笑う母さんの目は、全く笑っていなかった。
「…もう、見て見ぬ振りは出来ません。
色々あったとはいえ、まだ妻である自覚がAにはなかったし、それを潤だってわかっていたはずなのに…人様にバレて。それで、あんな顔して家に帰ってきて…許されることじゃ、ないのよ」
気持ち悪いと、言われるより
人じゃないと、言われるより。
一番罪の意識を感じてきた親に言われる言葉は
どの言葉よりも、キツかった。
「…もう、あなた達2人で会わせることはできない。Aはここから職場に通いなさい。明日引っ越し手続きに行きましょう。潤は…」
「……俺も、引っ越すよ」
「…そう」
沈黙が、落ちる。
この3人でいて、こんなに辛い沈黙は初めてだった。
「…俺。もう、帰るわ」
沈黙に耐えられず、立ち上がる。
「じゃあ…また、いつか」
俺は、Aを見なかった。
Aも、俺を見なかった。
パタン。と、リビングのドアを閉める。
玄関の棚に飾られた
高校時代の、俺とAのツーショットが
…嫌という程、心に刺さった。
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きのぴす(プロフ) - りおんさん» りおんさん、最後までお読みいただきありがとうございました(T_T)とても嬉しいコメント…ほんとうにありがとうございます。そう言ってもらえるような作品が書けたこと、とても嬉しいです(T_T)ほんとうにありがとうございました(T_T)! (2014年12月12日 14時) (レス) id: 7083c37e34 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - まりさん» まりさん最後までお読みいただき、ありがとうございました〜(T_T)本編も、その他のスピンオフもまだまだ続きますのでよろしくお願いします! (2014年12月12日 14時) (レス) id: 7083c37e34 (このIDを非表示/違反報告)
りおん(プロフ) - 完結お疲れ様です!兄妹恋愛、よく見るのですが、今までで一番感動しました!キュンキュンして号泣させてくれる、素敵な物語に出逢えました。ありがとうございました! (2014年12月8日 0時) (レス) id: 3138ecfc9d (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - きのぴすさん、シークレット完結お疲れ様でした!もう潤くんは辛かったです~(><)本編のラブストーリーもハラハラな展開ですが楽しみにしてます(^ω^)★ (2014年12月7日 22時) (レス) id: e4c53d1278 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - sakuranboさん» 果たして幸せになれるのかどうか…結末を2つ用意してるんですけどどちらもしっくりこなくて今もんのすごく悩んでいます(笑) (2014年10月8日 17時) (レス) id: 7083c37e34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのぴす | 作成日時:2014年4月24日 17時