おかしい ページ7
＊Aside
やっぱりおかしい。
用事があるって言ってたけど。
A「翔ちゃんってこのあと仕事？」
マネ「いや、何もないはずですよ。」
A「そうなんだ。」
マネ「どうしたんですか？浮かない顔して」
A「飲みに行こうって誘ったら、用事があるって断られちゃって」
マネ「ただの用事、じゃないんですか？」
いや、ただの用事じゃない。
十年以上、翔ちゃんといるからわかるんだ。
断るとき、まったく目が合わなかった。
顔はこっちに向いているのに。
あれは、きっと
何か、俺に言いたくない用事なんだよ。きっと。
A「だよね、」
マネ「相葉さん、この後の打ち合わせ終わったら、すぐに帰られますか？」
A「翔ちゃんが気になるんだよね、俺。」
マネ「わかりました。帰るとき、知らせてください。」
A「ごめんね。ありがとう。」
マネ「いやいや。メンバーのことを想う、相葉さんの気持ち素敵です。」
A「そんなこと、言われると照れちゃうなー。(笑)」
俺は、他局の番組の打ち合わせに向かった。
A「すいません。遅れました」
マネージャーさんと話してたら、ちょっと遅れちゃって。
仕事ちゃんとしなきゃだねっ。
A「お疲れさまでした。」
「お疲れ様」
やっと、打ち合わせが終わった。
翔ちゃんは、てか、もう帰ったか。
収録終わってから、１時間以上経ってるし。
A「俺、帰る。」
マネ「わかりました。用意します。」
A「あのさ、翔ちゃん。もう帰ったよね？」
マネ「たぶん。確認してきますね」
マネージャーは、駐車場の方に向かった。
用事があるって言ってたし。もういない、そう思ってた。
マネ「あ、相葉さん。まだ、いるみたいなんです。」
A「翔ちゃんが？」
マネ「はい。まだ、テレビ局から出てこないらしくて。」
A「仕事じゃなくて？」
マネ「櫻井さんのマネージャーさんに聞いたんですけど、仕事はないらしいんですよ。」
なんで？
おかしいよ。やっぱり。
マネ「あ、あれ。櫻井さん？」
遠くのほうにエレベーターに乗る影が、見えた。
A「翔ちゃん？」
うつむいて、顔を手で覆っている。
泣いてる。
翔ちゃんに声をかける勇気が出なかった。
A「ごめん、帰ろうか。」
マネ「いいんですか？」
A「明日、一緒だから、聞いてみるよ。」
マネ「わかりました。」
俺たちも、駐車場に向かった。
そこに、翔ちゃんたちの車はもうなかった。
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作者名：ナッツ( -_・)? | 作成日時：2017年3月22日 19時
