Secret Face……1 〈D.A〉 (ページ5)

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｢今日からこのクラスになる

有岡大貴くんだ

みんな仲良くしろよ～？｣

｢…よろしくお願いします｣

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先生が彼の名前を言ったあとに

有岡くんはぼそっ、と呟くように言った

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先生が彼の席を教えると

そこは…

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｢有岡はあの窓側の

一番後ろの席な～｣

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私の隣だった

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有岡くんはゆっくりとこちらに歩いてくる

周りのみんなからは注目を浴びるが、

彼は誰とも目を合わせず

私の隣に座る

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隣に座った彼────有岡くんは

特に何か言葉を発することも無く、

少し俯きがちに座っていた

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前髪が長いせいか、

それともメガネのせいか、

いや、もはやどっちのせいともいえる、

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有岡くんの顔が全然見えない

それが少し…

正直言って怖かった…

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けれどこれから同じクラスで過ごしていくのだ

一言挨拶をしよう、そう思い

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｢よろしくね｣

そう一言告げた時────･･･

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カーテンが揺れ

春なのだと教えてくれる

暖かい風が入ってきて

有岡くんの髪をなびかせた

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｢…よろ、しく｣

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そう私の目を見て言ってくれた

けれど彼が私だけに放ってくれた

言葉だと一瞬気づかないくらい

私は彼を見つめてしまった

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初めてちゃんと見た彼の瞳が

あまりにもキレイで、その瞳には

どこか光を失っていた────･･･

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