Secret Face……1 〈D.A〉 (ページ35)

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｢…え、あ、…｣

そういうこと…。

どうやら私が先に帰ろうとしたのが

彼は気になるみたい

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｢だって、今日は遊びに行くんじゃないの？｣

｢え？｣

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理由という名の疑問を投げかけると

目をぱちくりと驚いたような大貴くんの顔があった

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さっきまでクラスメイトに放課後に遊びに

誘われていたから、てっきり行くものだと思っていたが、

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彼はそうでもなく、今こうして私の目の前にいる

そして手はずっと握ったままだ

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しばらくしてやっと私の言葉の意味が

分かったらしく、

口を開いて、俺さ…と続けた

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｢…一緒に帰ろうと思って隣にAがいなくて

すごく…不安になった｣

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きゅっ、と握る手の力を強めながら

しっかりと目は私を捉えているので

あぁ、逃げられないな…と考えながら

次の言葉を待つ

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｢俺はお前と帰る時間がすごく好きだけど

A自身はそうでもないのかな、なんて考えて…｣

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そんなことない…

私だって一緒に帰る時間が大好き

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その思いを込めて私も少しだけ握り返した

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