Secret Face……1 〈D.A〉 (ページ16)

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｢もー、そんなに泣くなって…

ありがとな、俺のために泣いてくれて｣

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いつまで経っても泣き止まない私の頭を

大貴くんの温かくて大きい手のひらが

ぽん、と置かれた

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それからずっと大貴くんも私も無言で

ベンチに座りながら

暗くなる空を眺めていた

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｢…そろそろ帰ろっか…？

山田くん待ってるでしょ｣

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先に口を開いたのは大貴くんだった

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｢涼介のこと知ってるんだね｣

｢そりゃあ、山田兄弟のことは有名だぜ？

美男美女の双子だーっ、て｣

｢なんじゃそりゃ…っ｣

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お互いにくすくすと笑いながら立ち上がる

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いくら春でも夜の風は

少し肌寒い

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それからお互いにじゃあね、と挨拶を交わし

別々の方向に向かって歩いた

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｢…おせぇ｣

｢…申し訳ないです｣

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なぜか家に帰ると玄関の前で腕組みをしながら

仁王立ちしてる涼介が立っていて

説教されている…

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