秘密

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マフラーが必要になってきた季節に入る頃




受験勉強も終盤を迎え、追い込んでた



いつものように陸上部を見た後に1人で帰る



今日は寒すぎるから
いつもは自転車に乗って帰るんだけど
風が冷たいから自転車を押して帰ることに







そしたら後ろから
自転車に乗ったハヌルが
息を切らしながら追いかけてきて


「やっと、追いついた」

って



肩で息をしながら




「ねぇ、何でいつも先に帰るの？いつも部活見てるの知ってるよ」

って



そうだったんだ

バレないように見てるつもりだったんだけどな




「あれ？部活の子たちは？」

「いつも僕もここから先は1人なんだ」



校門を出てすぐにみんなとは違う方向らしくて



「いつヌナに一緒に帰ろって言おうか迷ってた」

「いつも1人で帰ってるなら早く言ってくれれば良かったのに」

「追いかけてたんだけどね、先帰るから追いつかなくて」

「ハヌル、部活の子たちと帰ってると思ってたから」

「これからは一緒に帰ろ？」

「うん」



それからはたわいもない話をして


手が冷たくなってセーターの裾を伸ばしたら
これ使って？って
手袋を貸してくれた



「ハヌルは好きな人とかいないの？」

「え？なんで？」

「ううん、こんなに優しかったら周りの女の子ほっとかないだろうなーと思って」

「みんなに優しいわけじゃないよ」

「そうなの？」

「誰にでも優しい人、僕きらいだから」



その言葉がすごく重かった気がするのは
帰り道、寒くて静かだったからだけでは
なかったと思う

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