6mm.

☆.こばやし せいじ。 ページ2

(Fumi☆さまリクエスト)









どっかのケーキ屋から漏れ聞こえてくるクリスマスソング。目立ちたいの！とばかりの電飾。

片手にはコンビニの袋。
片手には通話中のスマートフォン。




寂しすぎて嫌になる、とため息をついたら
A？と心配そうな声は画面の向こう側から。









「…ねえねえ、」

「ん？なに、」

「東京のクリスマスってどんな感じなん？」

「どんな感じって言われてもなあ、」

「やっぱ華やか？綺麗？」









大阪とそう変わらんよ、なんて笑った。
その声に、もう懐かしい訛りは見当たらない。




…幼なじみの彼氏は、ずっと遠くの人になった。

…私は、ひとりぼっち、と何も変わらない。









「そっちはどう？」

「、寒い」

「雪は？」

「うーん、降りそうって感じかな。」







外の空気も心も。ぜんぶ寒い。








「…ほんまや、寒っ」

「ん？」

「てか、Aいまどこにいる？」

「帰り道だけど、何？……っ、！」









発見、なんて嬉しそうに振り返ったひと。
会いたくて会いたくて震えるほど思ったひと。

私、会いたすぎて幻覚でも見えたん？









「、痛い」

「夢じゃないし、」

「....なんで？」

「サンタさんに連れてきてもらった！」









なんなんそれ、アホちゃう。
サンタさんとか、私のこといくつやと思ってんの？


ああ、もう笑いすぎて涙出てきた。
…なんで、止まんないのよ。もう。









「、大阪は寒いな。」

「誠司がおったら、寒くない。」

「…それもそうやな、」









神さま、本当にいてるんかは知らんけど、
サンタさん、
アンタのこと信じる歳はとっくに過ぎたけど、

とりあえずみんなありがとう。









〔 ヒーローは呼んでもないのにやってくる 〕







お題は｢白鉛筆｣さまより

☆.おおの しょうた。→←☆.おおたに しょうへい。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す