6mm.

☆.おおたに しょうへい。 ページ25

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いつものメンバーで楽しく食事をしていたとき、花見がしたい、と言い出したのは拳士さんだった。


酒を入った先輩達はノリノリで、俺ら後輩はつまみやらビールの追加やらでコンビニへ。

戻った時にはその輪の中に君がいた。






「翔平っ！」

「、Aさん来てたんですね」

「うん花見から合流〜」






来たばかりのはずのAさんの顔は少し赤い。

あっち行こう、と手を引かれて俺達は人の輪の中から離れて人気のない道を2人で歩いた。







「どっかで飲んでたんですか？」

「うん同期とね…で、拳士に電話もらった」







高いヒールが俺には怖くて、ふらりと横に揺れる腕を掴んで、黙って手を繋いだ。

指と指。絡めてしっかりと。







「…翔平もイケメンになったなぁ」





楽しそうに笑ったAさんは握った手を強く握り返してくれた。小さな手はすっぽりおさまる。






「桜綺麗だね」

「本当ですね、」






強く風が吹いて彼女の髪が花びらと共に舞い上がる

それを手で抑えながら目を細めたAさんは、
すごくすごく綺麗だと思った。







「この桜を、一緒に見たのがAさんで良かった」






俺の言葉にふわりと笑った彼女は
ヒールでさらに背伸びをして、
俺の肩に手をかけて唇を重ねた。



ひどく甘いそれは、離れてすぐに
今度は俺からキスをした。




彼女の向こうに桜たちが舞っていた。






〔 いまだけは ふたりぼっちの世界 〕






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☆.ますい ひろとし。→←☆.しま もとひろ。

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