わるい６ ページ6
光が瞼の上から当たっている。眩しい。ギュッと、目をつぶる。だんだんと光がなくなってきた。目、開けようかな。ゆっくりと閉じていた瞼を開いていく。真っ先に見えたのが白い天井だった。
あ、死んでない感じ？それを残念に思う私がいる。
起き上がろうとしたら足に痛みを感じて顔をしかめた。足がやられたのか。あのあとに？
ガララと部屋のドアが開いて50代くらいの女性が入ってきた。誰、こいつ。
女性は私をみると驚いたような顔をして泣き出した。ガチで誰ですか。人、間違えてるでしょ。
普通は妹がくるでしょ。なんできてないのあの子。
女性は私の方へと駆け寄り、ナースコールを押した。
「よかった！A、生きててくれたのね。事故にあったって聞いたときお母さん心配したんだから。」
「は。」
イマイチ、状況が掴めない。この人はお母さんで、私の名前を知っている。なんだなんだ、訳がわかんない。どうなってるの。
状況が理解できないまま、医者と思われる人が来た。
私を診た医者は一種の記憶障害だと伝えた。質問をたくさんされ、苗字が違ったり、年齢が一個繰り上がってて、妹も姉もいなくて、仕事が違ってて。
「すみません。少しの間、一人にしてくれませんか。」
「嫌よ。離れないわ。心配だもの。」
母と思われる女性は言うことを聞いてくれない。嫌いなんだよね、こういう女。
そんな女性に医者がこう言ってくれた。
「お母さん。Aさんも混乱しているようですし、整理させてあげる時間をあげてください。」
渋々と部屋から出ていった女性と医者。それを無視し、瞼を閉じる。
私は武田A。28歳。職業、烏野高校教師現代文。家族構成は母と私。
うん。烏野ってあれ？ハイキューだよね。武田…。私が武田…。
信じられなくて痛い脚を動かして立ち上がり、鏡を見た。そこにはいつもの顔があって、紛れもなく私で。サラサラの髪が癖のある天然物になっていた。
これはあれですか。今までの事の罰なんですか。
どうして武ちゃんなんですか。
私は武田一鉄になってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日向研磨 - とっても面白いです!!更新がんばってください (2016年9月19日 23時) (
レス) id: 3f7b1fded1 (このIDを非表示/違反報告)
ニイロ(プロフ) - 更新待ってます！頑張ってください！！！ (2016年6月8日 3時) (レス) id: 05ac5cb1f7 (このIDを非表示/違反報告)
天使のパンツ - めっちゃ面白かったです(*^ω^*)更新していただける日を待ってます!! (2015年10月6日 0時) (レス) id: 986fa0c687 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうし - 及川さんとかって出ますか？？ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 590bd27ea7 (このIDを非表示/違反報告)
翔 - にっこにっこにー♪これからも頑張って欲しいにこ〜 (2015年3月20日 17時) (レス) id: 756855eac8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RAY | 作成日時：2014年10月18日 1時
