わるい１５ ページ16
お昼になり、食堂にきた。音駒の教頭に「折角なんで、食堂のランチを召し上がって見てください。」と言われたのでいう通りにした。私は食堂の雰囲気が嫌いだった。特に理由はないけど、なんとなく嫌いだった。
席に座ると周りに女子生徒が集まってきた。
「武ちゃん先生ー。一緒していいですかー？」
お昼くらい一人にさせて。なんて生徒に言える訳もなく、いいですよ。と返した。
「えー！独身なのー！全然見えなーい！」
「本当本当。縁がないんです。」
「もったいないなー。私が男だったら絶対先生のこと好きのなってるのに。」
縁がないなんて嘘だ。ありすぎて素晴らしいほどに。
けれどこのくらいの年頃の女は人の不幸が美味しいらしく、とても楽しそうに私の話(嘘)を聞いてくる。
「先生。ここのバレー部の直井先生はどう？イケメンだよー？」
「直井先生？バレー部？」
まじか。ここでもバレー部が関係してくるのか。一応知らないフリをして、ながす。
ふと、視界にトサカが入ってきた。そして私の方へと近づき話しかけてきた。
「コーチはやめといた方がいいですよ。せんせ。」
女子生徒のほとんどがうつむき、黒尾と顔を合わせないようにしている。何故だ。
「そうですか。ご忠告ありがとうございます。そういえば、放課後にバレー部を見学させていただくことになったので、よろしくお願いします。」
笑顔で言い切った。なるべく、武ちゃん風に喋れるようになりたい。
それにしても、黒尾の中の人の声は濡れる。本当にえろい。
「はい、こちらこそ。じゃあな、女子。」
女の子たちは頷いてまだ顔を合わせないようにしていた。え、黒尾って嫌われてんの。
笑いそうになったが、こらえた。
黒尾が離れると女の子の口から盛大にため息が漏れた。
「あいつが近くに来るから緊張したー。」
「それな。あーーー、カッコいいーーーー。」
糸が切れたように机に伏せる女の子たち。
あ、そういうことですか。わざとわからないフリをして聞いてみた。
「黒尾君がどうかしたんですか。」
「先生って鈍いなー。さすがにあのイケメンオーラはわかるでしょ。」
そこからは私を置いて、黒尾について盛り上がっていった。
私が食堂を嫌いな理由を思い出した。
嫌いなのは群れてうるさい奴らがいるからだ。
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日向研磨 - とっても面白いです!!更新がんばってください (2016年9月19日 23時) (
レス) id: 3f7b1fded1 (このIDを非表示/違反報告)
ニイロ(プロフ) - 更新待ってます！頑張ってください！！！ (2016年6月8日 3時) (レス) id: 05ac5cb1f7 (このIDを非表示/違反報告)
天使のパンツ - めっちゃ面白かったです(*^ω^*)更新していただける日を待ってます!! (2015年10月6日 0時) (レス) id: 986fa0c687 (このIDを非表示/違反報告)
ぼうし - 及川さんとかって出ますか？？ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 590bd27ea7 (このIDを非表示/違反報告)
翔 - にっこにっこにー♪これからも頑張って欲しいにこ〜 (2015年3月20日 17時) (レス) id: 756855eac8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RAY | 作成日時：2014年10月18日 1時
