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あいつは俺の気持ちなんてこれっぽっちもわかってない。
この温度差をどうにか埋めようと頑張ってるのは所詮、俺だけ。
ポスンとベッドにうつ伏せに倒れた。
普通さぁ…女の子のが甘えたいとか…
くっついてたいとか…毎日会いたいとか…。
それを言うのは男の俺ばっかってどうよ？
不貞腐れてあれこれ考える俺に届いた遠慮がちに開いたドアの音。
「翔ちゃん？」
返事なんて簡単にしてやるかよ。
「ねぇ？翔ちゃん？」
やっぱり遠慮がちに俺の背中をトントンする。
それでも返事しない俺の背中にピトッてくっつくA。
恐る恐る腹に腕が回ってギュ〜ッてしがみついた。
「ねぇ…？一緒にご飯食べよ？ひとりじゃ寂しいよ？」
ずりぃ…マジでずるくね？
「翔ちゃんと一緒に食べたいな？」
「…。」
「翔ちゃんいないと美味しくないの。」
あぁ〜！！もう！！
クルッと寝返って今度は俺がAをギュ〜。
「ふふふ。翔ちゃんにギュッてされるの好き。」
マジで…ツンデレってこういう事言うんだって実感して…
それにまんまとノックアウトされてる単純でバカな俺。
「翔ちゃん？」
「うん？」
「ふふふ…大好きよ？」
もぉ…もぉ！
もっとギュ〜ッてすると『苦しいよ』って。
でも…力を緩めてなんかやんねぇぞ。
「俺、本当は起きてすぐこういうシチュエーションがよかったんだけど…？」
ベッドの中でおはようのキスできると思ってたのに…。
あんなに愛し合った甘い夜には、甘い朝を期待すんでしょうよ。
それが朝っぱらからケンカって…。
「そっか…ごめんね？一緒にご飯食べたくて。」
「俺は飯よりイチャつきたい。」
「翔ちゃん…そればっか。」
呆れたため息をこぼすAと俺とはやっぱり温度差がある。
これはマジで対策を考えなきゃな。
「A？」
「うん？」
「おはようのキス頂戴？」
腕を緩めると、ふんわりと微笑んだAが俺の首に手を回して自分に引き寄せチュッと可愛いキスをくれて。
「おはよ。翔ちゃん。」
ってやっぱりふんわり微笑んだAに俺からおはようのキスを落とした。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年10月9日 6時
