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ん〜…頭痛い…
喉乾いた…
口の中にまだアルコールが残る不快感…。
けど、鼻腔に届くのは安心をくれる香り…。
寝返りを打って薄っすらと目を開くと、撫で肩が目の前に。
「A？起きた？」
身を捩って振り返った翔ちゃん。
「…ん。」
まだボーッとする頭で起き上がった。
「ほら、水。」
用意してあったんであろうペットボトルを差し出され受け取って蓋を開けた。
「翔たんが飲ませてやろっか？」
翔ちゃんもベッドの上に乗っかってきて、ペットボトルを口に持ってこうとする腕を掴まれた。
「は？何言ってんの？」
しかも『翔たん』…『たん』って…。
「お前、マジで覚えてねぇの？本気で禁止令出さなきゃマズイか？」
「うん？何？」
「お前、ベロベロに酔って『しょおた〜ん』って呂律回らない口調で甘ったれてたの。」
「…。」
「ずっと俺が抱っこしててさ？水飲ませろだとかえっちしたいだとか…それはそれは可愛いかったけど？」
からかう様に意地悪く笑う翔ちゃんに返す言葉もなく固まる私。
「あ！そうそう！一応言っとくけどメンバーもメンバーの彼女も皆さんお揃いの前での出来事だからね？」
自分の醜い醜態を晒してしまった事に危うくペットボトルをベッドの上に落としそうになって。
「お前って酔うとあんなに甘えたなんだな。」
放心状態のまま水を一気に半分くらい飲むと、蓋をして翔ちゃんに押し付けた。
「ん？もういいの？」
「…。」
何て言っていいのか…
何を言うべきかわからなくて布団の中に逆戻り。
翔ちゃんの方に背を向けて丸くなった。
「ククク。」
翔ちゃんの噛み殺した様な笑い声が聞こえて、余計に羞恥心を煽る。
「A？」
身体をポンポンと叩かれるけど布団からは出られない。
「なぁ…？仕事行く前にちょっと話しがあんだけど。」
真面目な口調な翔ちゃんには逆らう事ができず…
おずおずと顔を出すと、優しく笑って『おいで？』って胡座をかく膝をポンポンって叩く。
「…そこ？」
「そ。」
何で？って思ったけど昨日の失態の気まずさから、翔ちゃんに跨る様に素直に乗った。
『いいコ』って耳元で囁かれて、頭を首筋に引き寄せられる。
されるがままに首筋に顔を埋めて翔ちゃんの匂いを感じてた。
「ユリアちゃんがさ？Aも結婚式に招待したいって。」
「…え？」
「ハワイで結婚式するって言っただろ？」
「…ん。」
それは聞いてたけど…
なんで私も…？
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年10月9日 6時
