１２４☆ ページ4
ふと目が覚めると、やっぱり翔ちゃんはすごい格好で寝てて。
身体が半分以上布団から出てて、片足はベッドから落っこちてる。
「相変わらずだ(笑)」
翔ちゃんがうちに泊まりに来てた時は仕事の関係もあってか翔ちゃんのが先に起きてて、私が起きると翔ちゃんの腕の中ってパターンだったんだけど…。
翔ちゃんに布団を掛けなおしてあげて、床に散乱してる服を身に纏い、翔ちゃんのはたたんだ。
リビングのカーテンと窓を開けて、朝の新鮮な空気と入れ換える。
少し小腹が空いて、冷蔵庫を開けるやっぱり相変わらず何も食材はない。
お財布と、靴箱の上に置いてある鍵だけ持って外に出た。
梅雨なのに…
外は綺麗な青空が広がっていて、ん〜っと伸びをするとすごい気持ちがいい。
「さて…お買い物行きますか。」
独り言を呟きコンビニまで朝のお散歩を楽しみながら歩いた。
・・・買い物を済まして部屋に戻ると、真正面に携帯を耳と肩に挟んだ翔ちゃん。
寝癖がすごくって思わずクスリと笑ってしまう。
誰かと電話かなって、後ろを向いてそっとドアを閉める。
「…焦らすなよ…。」
後ろからギュ〜ッて抱きしめられて。
「うん？」
「黙って出てくのは反則じゃね？」
「『出てく』って…大袈裟な。」
「置いていかれた方の身にもなってみろってんだよ。」
「…ごめんね。」
翔ちゃんの口調で不機嫌さが伝わってきて、とりあえず謝った。
「悪ぃなんて思っちゃいねぇクセに。」
「そんな事ないよ？ね？朝ごはん食べよ？」
お腹に回ってる腕をポンポンッと叩いて。
「…ん。」
「あら、翔ちゃんは素直でいいコちゃんですね〜。」
「バカにしやがって。」
パッと腕を離すと、本格的に怒ったのかドスドス歩いて寝室のドアを開けて中に入ると、力任せにバタンと閉めた。
あ〜ぁ…。
あぁなると面倒くさいんだよね…翔ちゃん。
こういう時はほっとくのが一番だって事を知ってるから、キッチンに向かいベーグルサンドを作り始める。
作るって言ったって、コンビニのパンにサラダとハムを挟むだけなんだけど。
勝手にコーヒーメーカーも借りてセット。
「…いい匂い…。」
コーヒーの豆が高級だからか、うちで淹れるコーヒーよりも香りが格段にいい。
ベーグルもコーヒーも準備はできたんだけど、一緒に食べたい人が一向に寝室から出て来ない。
ため息をついて寝室に向かった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年10月9日 6時
