１４４☆ ページ24
翔ちゃんの体温と匂いは安心をくれる。
「いい匂いだね…。」
翔ちゃんの匂いに混じって、時折、ふわっと香るローズの香り。
翔ちゃんの鎖骨が正面にある体勢から、ゴロンと寝返りを打つと今度は正面にアロマキャンドルと…
それに寄り添う様に置かれている翔ちゃんちの合鍵が見えて。
「そっち向いちゃうの？」
気怠そうな翔ちゃんの掠れた声に、さっきまでの情事が思い出されて少し恥ずかしい。
「ふっ…可愛いヤツ…。」
そんな私もわかってる翔ちゃんの腕がお腹に回った。
ゆらゆら揺れてる灯りを見てると、
「なぁ…？」
って翔ちゃんの低い声。
「うん？」
「俺…毎日会いたいよ？毎日こうやって寝たい。」
「どうしたの？突然。」
「お前だけじゃねぇって事。」
「うん？」
「さっきお前言ったじゃん？『私だけ？』って。」
あぁ…その事？
「例えばな？俺の仕事の都合で会えなくても連絡ができなくても…。」
「…。」
「お前が会いたいって…寂しいって思ってる１００倍は俺がそう思ってるって思ってろ。」
「ふふふ。命令形？勝手だなぁ。」
「今に始まった事じゃねぇだろ？」
「だね…。」
「なぁ…いい加減こっち向いてよ。」
「何で？」
「お前にキスしたいの。」
耳元で甘く囁く声に誘惑される…。
クルッと寝返りをすると、目の前には翔ちゃんの優しい眼差し。
「いいコ。」
ふんわりと微笑むとそっと重なる唇。
ぽってりとした少し厚みのある唇に私の唇が挟まれる様に口づけられる。
離された唇はやっぱりそっと額に触れて…。
「好き…。」
「…ん。」
「好き過ぎて…。」
「うん？」
「どうしょもねぇ…。」
「どうしょもないの？」
「…あぁ。」
唇が離れたと思ったらムギュ〜ッて潰されるんじゃないかってくらいキツく抱きしめられて。
「苦しいよ。窒息死しちゃう。」
「うん…わざとだもん。」
「意地悪。」
「お前の事好き過ぎて…俺はそんくらい苦しいの。」
『病気…中毒だな』って自嘲気味に呟いた。
「金曜日を指折り数えてるよ。」
「そうなの？忙しいからあっという間じゃない？」
「忙しくしてる時間はあっという間だけど、ひとりの夜は寂しいだろ？」
「うん。」
「特に…月が綺麗な夜は寂しさ倍増だ。」
「ふふふ。『倍増』しちゃうんだ。」
「…早く一緒に住みてぇなぁ。」
独り言の様に呟いた…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 906人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2014年10月9日 6時
