１２２☆ ページ2
まだちょっと息の荒い翔ちゃんが隣に寝転ぶと、
「…おいで？」
って腕を広げるから、５年前よりも太くなった腕に頭を乗せる。
身体を引き寄せられ翔ちゃんの腕と足が私に絡みつく。
「あっちぃなぁ。」
ピタッと頬がくっついた胸はまだ汗ばんでて。
「離して？」
「ダメ。」
「だって暑いんでしょ？」
「ホント…お前って…。」
大袈裟にため息をつく。
「何よ？」
「可愛くねぇな。」
「知ってます。」
「さっきまではマジで可愛いかったのに。『翔ちゃんもっと【ちょっと！】』」
なんて事を言い出すの？
このドSアイドル！
「ククク…。」
「バカ。」
恥ずかしくって額を鎖骨にグリグリ押しつけながら逞しい胸に顔を埋めた。
「そ。そうやってずっと甘ったれてればいいの。」
「イヤ。」
「お前みたいなのを世間ではツンデレって言うのか？」
「…知らない。」
私の額の少し上にチュッとキスをして頬を寄せると、頬ずりする様にゆっくりゆっくり動かして。
「Aの匂いだ。」
「ふふふ…翔ちゃんの匂いだ。」
「A？」
「うん？」
「幸せ…だな？」
「…ん。」
ちっちゃく返事をして頷くと翔ちゃんの腕にキュッと力が込められて。
「どうしよ？」
「うん？」
「俺ってば、お前の事すげぇ好きなんだけど？」
「ふふふ…それは私にはどうしょもできないなぁ。」
「え〜？そんな事言わずにどうにかしてよ。」
駄々っ子みたいに言う翔ちゃんにちょっと呆れながらも…
「どうして欲しいの？」
子供を宥めるみたい言ったら、抱きしめられたまま仰向けになって上には翔ちゃん。
コツンと額が合わさって…
「俺にいっぱい甘えて？毎日『大好き』って言って？ずっとずっと隣で可愛い笑顔見せて？」
「注文多いなぁ。」
「ねぇ？いいでしょ？」
鼻先をくっつけてどんどん近づく唇。
翔ちゃんの首に腕を回して、少しだけ首を上げると簡単にくっついた唇。
チュッと音をさせながら離そうとしたけど、上から翔ちゃんに強く押しつけられて。
強引に唇の間を割って入ってきた舌は、焦らす事なく私のと絡められて…
私の頬を撫でていた手がいきなり素肌の胸の上に置かれた。
「ん？！ん〜！」
翔ちゃんの胸を押して離れてってアピール。
「…んだよ。」
「『なんだよ』じゃない！」
「お前が『いい』ってキスしてきたんじゃん？」
「え？！いつ『黙って俺に抱かれてろ』」
そう言ってまたキスが降ってきて…
うん…あなたのがツンデレだと思うよ？
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年10月9日 6時
