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翌日のお見合いは、
ドタキャンは無理ってことで、
とりあえず、
お断りに行くことに。
なぜか、着物で行かなくちゃいけないって、
おじいちゃんが息巻いてるらしくて、
お母さんに着付けてもらうことに。
沙英が仏間に入ってきて、
私の着付けをニヤニヤして見てくるから。
「出てってよ」
また喧嘩になりそ。
朝から疲れる。
「沙英も着るの。
順番待ちなの。
おじいちゃんが、
沙英もついて行くようにって」
お母さんの言葉に唖然。
大毅は朝ごはんの後、
この辺り、散策するって、
お父さんと出かけて行ったきり、
帰ってこない。
どこまで行ったんだろ。
晴れ姿、一番に見て欲しかったのに・・・
沙英と二人で家を出たらちょうど、
お父さんの車が、
戻って来た。
なんでか大毅が運転してて、
おじいちゃんが、助手席に乗ってる。
おじいちゃんは、
一張羅のスーツ姿。
助手席の窓をすうって開けて、
私と沙英を見て、満足そうに笑った。
「早く乗りなさい」
後部座席に乗るように急かしてくる。
後部座席から、
お父さんが降りてきて、
入れ替わりに、
沙英が先に車に乗り込んだ。
早い展開についていけずに、
ぼんやりしてたら。
お父さんが私に、
「門脇くんは同級生なんだろ？
大毅くんと二人で、ちゃんと断っておいで。
お見合いは代わりに沙英にさせるって、
おじいちゃんが言ってるから」
そう言ってくれて。
あんまりにも驚いて、
心臓が跳ね上がった。
大毅が車から、一旦、降りてきてくれた。
「・・・こんなカッコ見れるんなら、
お見合いもええな」
照れくさそうに一言だけ言って、
さっさと運転席に乗り込んでく。
可愛いって言ってくれなかったけど、
大毅が心の中で、
思いっきりそう叫んでるの分かったからいいの。
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作者名：fool
| 作成日時：2017年10月19日 14時
