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「淳太くんは？
立候補してくれないの？」
沙英ちゃんが拗ねた顔して、
淳太先輩に聞いた。
「えっ！？」
淳太先輩が驚いて聞き返す。
鈍感過ぎるやろ。
「淳太ばっかりずるい。
俺もええとこあるから」
濱田先輩て、いつからこんな積極的になったんやろ。
沙英ちゃんてそういう雰囲気持たせる子やもんな。
多分、めっちゃモテるんやろな。
けど、俺は断然、Aがええわ。
照れ屋さんで可愛いし。
そのくせ、夜は大胆やし。
つい、思い出し笑いしてたら。
「シゲ、にやにやしてきっしょいねん」
濱田先輩にどつかれた。
ほんま、にやにやしてる場合ちゃうやん。
打倒、醤油屋の息子や。
なんとか、手立てを考えなあかんよな。
濱田先輩が、
車で二人を送ってくって言うから。
玄関先まで見送る。
最後に沙英ちゃんが出てく前に。
「お姉ちゃんちの棚の、
一番下の深い引き出し。
開けたことある？」
急に聞いてくる。
意味が分かれへん。
「勝手に開けるわけないやん」
そう答えたら、
意味ありげに笑って。
「お姉ちゃんね、
昔の思い出は全部、
あの引き出しの中に隠してるよ？」
そんな事、言うねんで？
瞬間に、もう半分、
廊下に出かけてた淳太先輩の顔色が少し変わったんに、気付いてもうた。
気にしてないつもりやってんけど。
そら、やっぱ、気になるやんか。
大学時代、
淳太先輩との胸きゅんな思い出、
いろいろあるんやろうなって・・・
「過去のことまでとやかく言うつもりないから」
沙英ちゃんには余裕なふりして、
そう答えたけど・・・
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作者名：fool
| 作成日時：2017年10月19日 14時
