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「そうかなあ。
ここ1週間、愚痴しか聞いてないよ?
社会人は大変だとか、
一人で自活するのは厳しいから、
田舎にいた方がいいよとか」


それは、沙英ちゃんをこっちに来させへんための、
防衛策なように思えるけどな。


女姉妹て、複雑なもんなんかなあ。


「なあ、沙英ちゃんから見て、
醤油屋の息子は、どんな人?」


ついに、聞いてもうた。

結局、それが一番気になるねん。


「背が高くてスタイル良くて、
それで頭も良くて、有名私大理系卒で、
優しくて良い人で、
でもって、女子にはヘタレだな。
顔は大毅くんの圧勝だよ?
あっちは、好きな人は好きかもしんないけど、
んー、例えるならゴリラ系?
Aちゃん、超絶面食いじゃない?
だからさ、そこは大丈夫なんじゃない?
お見合いは5月4日だって」


気になってしゃあないし。


沙英ちゃんて、天真爛漫なだけやと思ってたのに、
めっちゃ観察眼鋭くて、なんていうか、
しっかりし過ぎやろ。


Aと同じ家庭で育ったとは思われへんわ。


「大毅くんの恋は茨の道なんだよ?
分かった?」


「はい。
分かりました」


4歳も年下の大学生に、
敬語で答えてまう俺。


濱田先輩も沙英ちゃんのリアリストぶりに、
ドン引きかと思いきや。


「沙英ちゃんは面食い?」


今、そこどうでもええやんて質問してるねん。


「私?
私は顔は関係ない。
優しくて私には特に甘くて、
とにかくあの田舎から連れ出してくれる人、
絶賛募集中」


「俺、立候補するわ。
ちょうど都合のええ事に公務員やし」


濱田先輩かはいって手を挙げて、
淳太先輩がわろてる。

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作者名:fool | 作成日時:2017年10月19日 14時

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