185 ページ23
「そうかなあ。
ここ1週間、愚痴しか聞いてないよ?
社会人は大変だとか、
一人で自活するのは厳しいから、
田舎にいた方がいいよとか」
それは、沙英ちゃんをこっちに来させへんための、
防衛策なように思えるけどな。
女姉妹て、複雑なもんなんかなあ。
「なあ、沙英ちゃんから見て、
醤油屋の息子は、どんな人?」
ついに、聞いてもうた。
結局、それが一番気になるねん。
「背が高くてスタイル良くて、
それで頭も良くて、有名私大理系卒で、
優しくて良い人で、
でもって、女子にはヘタレだな。
顔は大毅くんの圧勝だよ?
あっちは、好きな人は好きかもしんないけど、
んー、例えるならゴリラ系?
Aちゃん、超絶面食いじゃない?
だからさ、そこは大丈夫なんじゃない?
お見合いは5月4日だって」
気になってしゃあないし。
沙英ちゃんて、天真爛漫なだけやと思ってたのに、
めっちゃ観察眼鋭くて、なんていうか、
しっかりし過ぎやろ。
Aと同じ家庭で育ったとは思われへんわ。
「大毅くんの恋は茨の道なんだよ?
分かった?」
「はい。
分かりました」
4歳も年下の大学生に、
敬語で答えてまう俺。
濱田先輩も沙英ちゃんのリアリストぶりに、
ドン引きかと思いきや。
「沙英ちゃんは面食い?」
今、そこどうでもええやんて質問してるねん。
「私?
私は顔は関係ない。
優しくて私には特に甘くて、
とにかくあの田舎から連れ出してくれる人、
絶賛募集中」
「俺、立候補するわ。
ちょうど都合のええ事に公務員やし」
濱田先輩かはいって手を挙げて、
淳太先輩がわろてる。
661人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fool | 作成日時:2017年10月19日 14時