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あ、やばいって思う間もなく。
「あっ、大毅。
ここにいたんだぁ。
寂しかったよ・・・」
Aが甘えた声で言うて、
外に出てきて、
俺にぎゅうって抱きついてきた。
可愛ええけど。
照史先輩らに聞こえてるよな?
その証拠に、隣がシーンて静まり返ってる。
うわあ。
めっちゃ気まずいやんけ。
Aの腕を引いて、
慌てて部屋に戻る。
「どうしたの?大毅?」
きょとんてして、俺を見上げてる。
「亜美と照史先輩がお風呂でいちゃついてた」
あんな場面に出くわして、
ちょっと興奮してもうてるし。
「そうなんだ。
なんで大毅が顔赤いの?」
「えっ。
なんか照れるやん。
照史先輩があんな・・・」
ほんまやで。
でれでれだけやなくてさ。
あの、くぅってなる男前な感じ。
「ふうん。
二人は朝から、
そんなに仲良くしてたんだ・・・」
Aが拗ねた顔をしてる。
「どうしたん?」
「どうもしなあい」
どう聞いても、どうかした言い方してる。
「拗ねた顔して。
Aも俺と仲良ししたいん?」
聞いたら図星みたいで、
真っ赤になった。
可愛ええなあ。
「どんな風に仲良ししたいん?」
そっと小さい手を取って、つなぐ。
「うん・・・
いろいろ」
なんかその言い方、やらしい。
「いろいろて?例えば?」
「例えば、・・・例えば?」
逆に聞き返してくる。
小悪魔やな。
やられるわ。
「例えば。
俺は・・・キスとかしたい」
照史先輩らは、もっといちゃついてたけどな。
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作者名:fool | 作成日時:2017年10月19日 14時