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女湯の暖簾をくぐって外に出たら、
自販機の陰で、
男性陣はなにやら楽しそうにわちゃわちゃしながら待ってた。
大毅が照史先輩の顎のところを、
タプタプして遊んでるんだ。
私からすると、
照史先輩て、言うほど、太ってない。
いわゆる普通の20代後半の男の人だと思う。
大毅が細いだけだと思うんだよね。
照史先輩で力士なら、
私も大して変わんないような気がしてきて。
途端に不安になるわ。
あんまりはしゃいでるから、
声かけるの、ためらうわ。
「シゲ、Aちゃんにもそんなうざ絡みしてるん?
お前、そのうち呆れられるで」
照史先輩に突っ込まれて。
「あいつの前ではせえへんもん」
大毅が言ってるけど。
いやいやいや。
気をぬくといたずらしてくるけど?
会話の半分はふざけてるし。
「嘘つけ。
さっきのご飯の時だけでもかなりのうざい小学生やったで。
そんなんでどうやってええ雰囲気に持ってくんか、
マジで謎」
照史先輩の言葉に私が赤くなるわ。
「そら、男の顔は照史先輩には見せられへんわ。
照史先輩かって想像出来ひん。
いうか、絶対に想像したないわ。
照史先輩がくっさいこと言うてる思ったら、
寒ぼろ出そう。
いうか俺、いちゃついてるカップル見たら、
蹴り入れたなるもん」
何なんだ。
その僻み妬みは。
声かけるのためらう男子トークだな。
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作者名:fool | 作成日時:2017年10月19日 14時