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「A！」
けえへんエレベーターを諦めて、
渡り廊下を走ってくAの腕を掴んだら、
思いっきり振り払われた。
「嫌っ・・・」
泣いてる？
美保先輩が誘惑してくるなんて、
挨拶代わりみたいなもんやし。
俺の気持ちは全然ぶれへんから、
なんも気にする事ないのに。
「妬いてんの？」
なるべく優しい聞いて、
後ろから抱きしめる。
誰もおらんし、ええよな？
「離して。
会社だから・・・」
強がり言うて、可愛い。
「泣いてんのに、
離せるわけないやろ」
「泣いてない。
勝手に決めないで」
回した俺の腕を無理矢理、
はがしてくる。
「こっち向き？」
言うても、
「嫌」
拗ねてもうてるねん。
可愛いけど、まいるわ。
「ええから向けって」
強引に俺の方、向かせたった。
涙目でばつの悪そうないじけた顔してるねん。
「泣いてるやん」
ちょっとわろてまいそうになる。
可愛いねんもん。
「なんで笑うの？
ひどいよ・・・」
「お前が強がるから。
可愛いて。
やきもち妬いて・・・」
もう一回、抱きしめて、
腕の中に閉じ込めたら。
「お前って呼ばないで。
威張んないで」
いつもはそんなん言えへんくせに。
腕の中でいじけて言う。
めっちゃ情緒不安定やな。
「ごめんて。
別に威張ってないし。
キスされてへんで？
約束したもんな？
絶対にあかんて」
「うん・・・
でも美保先輩、可哀想だった・・・」
なんでここで美保先輩の肩を持つねんな。
不思議な感覚やな。
「大毅は女の人、あしらい慣れてるから嫌い」
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作者名：fool
| 作成日時：2017年10月12日 18時
