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美術館のあとは、

旅館にチェックインして、
荷物だけ置いて。


またフロントで亜美たちと待ち合わせしてる。


大毅と私が先に着いた。


フロントの横の小さなお店で、
綺麗な色の浴衣の貸し出ししてて、
着付けもしてくれるって、
書いてる。


大毅、浴衣、似合うだろうな。

浴衣姿の大毅、見たい。


並んでる浴衣をじっと見てたら、


「着てみたいん?」


後ろから、耳元で、大毅に聞かれて、
心臓が跳ね上がった。


「うん・・・
大毅に着て欲しいなあって・・・」


「俺に?」

大毅がびっくりしてる。


そこに照史先輩たちがエレベーター降りて、
やって来た。


「浴衣?ええな。
亜美も着て欲しいな。
せっかくやし、シゲ、俺らも着る?」


照史先輩が言ってくれて、
神様に思えてきた。


亜美は乗り気じゃなくて、
ううんって。


浴衣の後ろ姿をどうも気にしてるんだよね。


「お願いっ!
亜美の浴衣が見たい」


照史先輩が拝み倒して、
やっとしぶしぶ了解してくれた。


亜美と二人で、
男子たちの分も浴衣を選ぶ。


「どれでもええで」

大毅があんまりにもやる気ないから、
かえって、好みの着てもらえる事になってラッキーだ。

大毅の趣味ってどっか、
ずれてるから。


せっかく何着ても似合うぐらいスタイルもいいのに。

私好みの服装に、
ちょっとずつ変えていきたいっていう野望を密かにあたためてるんだ。




浴衣の大毅と温泉街を散歩出来るなんて。

夢みたい。


情緒ある石畳の緩い坂道。

たくさんのお土産屋さんが軒を連ねてる。

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作者名:fool | 作成日時:2017年10月12日 18時

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