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「大毅には言いたくなかった・・・
怒るから」

「怒ってないで?
何もされてないな?」

たまに聞くねん。


担当の女の人に、
無理難題ふっかけて、
弱みに付け込んで、
関係迫ったりする悪どいやつ。


まさか、Aは大丈夫かと思ってた。


「うん。
大丈夫だよ・・・?」


もう、仕事辞めさせてやりたい、

言うてた照史先輩の言葉の意味、
今、ひしひし分かる。


「良かった・・・
何もなくて」


思わず、ぎゅって抱きしめてた。


結婚しても仕事続ける?

辞めてもええ?


聞きたかったけど、
まだ早いかなって。

踏みとどまった。


「大毅、大袈裟だよ。
別に断れるし・・・」


「そんなん言うて。
なんかあったら今度からは、
ちゃんと俺に言い?」

守りたい。


淳太先輩に守ってもらうんやなくて。

俺が。


今もめっちゃ嫉妬してる。


はよ、俺の奥さんにしてしまいたいなあって。

妄想やなくて、
思ってた。








部屋に帰ったら、
エプロン姿の濱田先輩が、
俺とAを出迎えてくれた。


「おかえりぃ」


玄関先にもう、
ええ匂いが漂ってきてる。


「お邪魔します。
今日はお招きありがとうございます」


Aがぺこんてお辞儀してる。


招いたんは俺やけど。


「むさ苦しいとこですけど、
どうぞどうぞ」


おたまを持って出てきた濱田先輩は、
亜美とはだいぶテイスト違うけど、
おもろいし、
もうお腹ペコペコやったから、
ほんまにありがたい。


「A、沙英ちゃんも誘わんでええん?
月曜にもう帰ってまうんやろ?」


一応、もう一回、聞く。

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作者名:fool | 作成日時:2017年10月12日 18時

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