明日の君に会いたくて６ (ページ11)

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Aが美保先輩の肩持った上に、
なんの脈絡もないことを言い出した。

「そうなん？
誰に聞いたん？」

「みのり先輩。
新入社員の時から６年も付き合ったのに、
前田課長、
突然、取引先の別の女の子と結婚したんだって。
しかもまだ２３歳の。
美保先輩て、
昔は亜美みたいなマドンナ的存在だったらしいの。
けどそのことあってから、
今みたいな肉食女子になっちゃったって・・・」

衝撃的な過去やな。

「そうやねや・・・。
こればっかりは、
前田課長が悪いわけでもないし。
しゃあないけどな・・・」

なんとも言いようがないやろ。

「そうかな。
前田課長、ひどいよ。
美保先輩の絶望感、分かる。
結婚の約束だってしてたらしいのに、
そんな仕打ち受けたら、
立ち直れない」

Aと俺とは受け止め方が違うみたいや。

ちらっと俺を見たけど、
まずい思ったんか、
そっから気まずそうに黙ってもうた。

人の恋愛の話で喧嘩なんかしたないな。

俺は前田課長とはちゃうし。

雰囲気変えたくて。

「企画室、見てく？」

聞いたら、
嬉しそうに笑ってくれた。

中に入るなり、
きょろきょろして。

「へぇ。
大毅の新しいデスクはここなんだ。
営業と違って、おしゃれだなあ。
いいなあ」

はしゃいで可愛いなあ。