明日の君に会いたくて２ (ページ20)

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可愛いんだ、重岡は。

それに、優しい。

「そんなこと気にしてたの？」

あんなに強引だったくせに。

「うん。
Aはまだ俺のこと好きちゃうんやろ？
やのに・・・
あん時、めっちゃ妬いてて、
なんか、抑え切られへんかってん。
・・・ごめん」

女心、くすぐるセリフだな。

重岡にこんな技が使えるなんて。

知らなかったわ。

「謝んなくていいよ。
嬉しかったから」

「ほんま？」

「うん・・・」

男らしくて、本当にきゅんてしたもん。

「良かったあ・・・
今からお客さんと飲みやねん。
けどそれだけ謝りたかったから。
また明日な」

まだ会社らしい。

重岡って、仕事熱心だ。

「うん、また明日。
気をつけてあんまり飲み過ぎないでね」

出来れば、
部屋まで話してたかったな。

少し後ろを淳太先輩が付いてくる。

結構しつこい。

こんなかっこ悪いことするなんて、意外。

「さっきの電話、今付き合うてる人？」

「そうですけど、
それが何か？」

「・・・」

なんで私、こんな喧嘩越しなんだろう。

淳太先輩にこんな態度はもちろん、
取ったことない。

しかも今は上司なのに。

きっと嫌われる。

けどそれでいいんだ。

重岡に、誰にも私たちのこと言うなって言われたし、名前が出せない。

あのイチゴ狩りの時の車。

やっぱり淳太先輩の車だったんだなって。

ふと思った。

匂いは、人の記憶に刷り込まれてる。

消さなきゃ。