107話だよ、多分 ページ11
結果的に、それはダメだった
もともと神童君のマークについていた人が
そのパスをカット
というか敵チームに絶妙なアシストになってしまったのだ
さくらちゃんは自分のパスで試合の流れが悪い方に
変わっていくのを感じ取っているようだった
そしてイナズマジャパンのゴールへ一直線
「『メガロドン』」
先ほど井吹が止められなかったボールは
暴風を纏って進んで
私の真横を掠めた
「井吹…」
私はぽつりと名前を呟いていた
「今度こそッ…!!!」
高く飛ぶ井吹
今度は距離もあったせいか
ちゃんとタイミングも合っている
ただ今度は威力負け
「ぐあぁあっハッ…ぐぅ」
ボールに井吹も吹っ飛ばされた
ざわざわ…と何かが音を立てるのを感じた
『ざまあみろ』
小さな頃の私が確かに言った
時間が止まったような感覚になって
色あせた世界に怪しく笑う私が居た
『何不自由ない生活してるんだから
そのくらい受けて同然だよ』
これが、私の本心なんだろうか
自分が自分で怖くなった
私は一体何者なんだろうと寒気がした
だけど体は反射的にゴールへ駆け出していた
――宗正くん
「大丈夫!?」
何故こんなにも焦ってるんだろう
何でこんなにも怖いんだろう
何でこんなにも不安なんだろう
得点なんかより井吹が心配だったのだ
おかしな話だ
私の本心はどっちなのか自分でもわからなくて
結果的には何も上手く行かなくて
私は何で此処に立ってるのかすら解らなくて
「持ち場にもどれ、始まるぞ」
フラフラと立ち上がった井吹はそれだけ言ってボールを私に渡した
顔は悔しさで歪んでいる
「…早く行け」
私は井吹に背を向けて駆け出した
私が戻るとさくらちゃんはさっきより思いつめた顔をしていた
そのとき私はハッとした
――さくらちゃんが…飲み込まれちゃう
そして私が不安に飲み込まれていた
観客席にいるバケモノが大きくなる
私はそれを睨みつける
――来るな来るな、私はお前なんかに負けない
「さくらちゃん!!」
試合が再開する直前私は彼女の名前を呼んだ
不安に染まる表情で尚
なんとかしなくてはならないという焦りでいっぱいの顔
「『勝手に一人で突っ走らないでよ』!」
ニッと笑いながらそう言うと
さくらちゃんはどこか安心したような笑みに代わって
前を向いた
さくらちゃんがどう行動するかはわからないけど
もう無茶はして欲しくないなと思った
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六花 - 「靴紐結ぶの忘れてたぁぁぁ!!!」のくだりが…（笑） (2015年2月14日 10時) (
レス) id: 0a3b44450e (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - はじめまして！面白かったです！実は僕も小説書いているので良かったら読んでみてください「斎拓」で検索です！後僕と友達になりませんか？いろいろ話したい事があるので… (2013年9月20日 1時) (レス) id: a0ace8b351 (このIDを非表示/違反報告)
青たん＠卓球部(プロフ) - 旅立ちの猫@COROSさん» 続編できました!ありがとうございます!これからも見てくれると嬉しいです!! (2013年9月18日 20時) (レス) id: 93bc7c834e (このIDを非表示/違反報告)
旅立ちの猫@COROS - 続編楽しみにしてます！おめでとうございますっ！！ (2013年9月17日 0時) (レス) id: be22eb39a2 (このIDを非表示/違反報告)
青たん＠卓球部(プロフ) - 白滝だっ､､、あっ白竜だっ//さん» 忘れた頃に更新しちゃう青たんです。お待たせしました!さらにお待たせしてしまうかもしれませんがこれからもこの小説を宜しくです!!ありがとうございました!!! (2013年9月13日 20時) (レス) id: 93bc7c834e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青たん＠文才無 | 作者ホームページ：http://now.ameba.jp/aotan-apple/ http://www.nicotto.jp/user/mypage/index?us...
作成日時：2013年7月14日 21時
