パパになった伊野尾さん (ページ22)

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※Happy Birthday Kei ページ22

Aside

慧｢…赤ちゃんはさ、Aの血も流れてて
Aのお腹にも入れて、あぁ、俺も赤ちゃんになりてぇって思ったの…だって羨ましいじゃんっ…！｣

な、なんだその幼稚な考えは
そんなこと考えて膨れっ面してたのか
でもそれって、嫉妬？

｢赤ちゃんに嫉妬してたんだぁ～｣

慧｢っ…悪い？！｣

赤信号になって
背もたれを少し倒して座る私の顔を見た
慧くんは、涙目だった

｢もー、可愛い顔してそんなに涙貯めなくても…｣

彼の顔を包み込む私の手で
溜まっていた涙を拭ってあげると
止まるどころがポロポロ出てくる

｢ちょっ、ちょっと！どーしたの？！｣

慧｢ふぇぇっ…分かんないぃぃ……｣

どっちが赤ちゃんだかわかんないよ私は笑

とりあえず、近くのコンビニに
車を停めた

｢もぉ、泣かないの…なんか買ってくるから｣

慧｢行かないでよぉ……｣

こりゃダメだ

私の裾を引っ張って離さない慧くんは
ほんとに赤ちゃんみたいで

｢…仕方ないなぁ、ほらおいで？｣

車の中だから、ハグしずらいけど
シートベルトをシュルっと外した慧くんは
私の胸に飛び込んできた

慧｢…んぅ、Aは俺の…｣

彼の唇がハムっと私の唇を包んだ
甘えてくる時はいつもこうしてハムハムするもんね

｢私はずっと、慧くんのAだよ？｣

慧｢……知ってるもん｣

スクっと起き上がって
満面のアイドルスマイル
よかった、いつもの慧くんだ

今、渡しちゃってもいいかな……

｢ねぇ、慧くん……私から誕生日プレゼント……｣

性別もそうだけど
昔から憧れていたことがあったの

それはね？

慧｢んぅ……｣

私は少し身を乗り出して慧くんの唇に長いキスをした

そして、ソレを首に付けてあげる

慧｢これ……｣

｢昔からね、ペアリング憧れだったのっ！結婚指輪じゃなくてね、名前が彫ってあるペアリングなの｣

そう、このリングには
2人の名前が彫ってある

慧｢え、めっちゃ嬉しい……俺これずっと付けるね｣

｢うん、慧くん改めて生まれてきてくれてありがとう…っ｣

ニッコリと私が笑うと

太陽みたいな彼の笑顔が降ってきて
頭を優しく撫でられた

慧｢ありがとう……A｣