化け猫はモルモット -Kei inoo-

27話 ページ37

Aside





慧｢……もう泣かないの｣




｢やだ……｣




慧｢…嫌じゃない｣




部屋に戻ってからずっと私は慧の腕の中にいた
いつ死ぬかわからない、私は怖くて









怖くて









慧｢さっき、光が泣いてるの聞こえた……なんかあった？｣







｢……喧嘩した……｣






なんだ、聞こえてたの
中に入ってきてくれればよかったのに






慧｢喧嘩……か、薬のこと？｣




｢そう……｣




私のことを膝の上に乗せて
優しく頭を撫でる慧




私この手大好きなのに…
忘れたくない……





慧｢…こっち向いて？｣





｢…なぁに…んっ…｣



慧｢…泣いてる子には、もれなくちゅーしてあげる｣




得意げに彼は言うと
やさしいキスが、降ってくる





慧｢…っ、ふふ…なんで逃げるの？｣






｢んー…逃げてない…んっ…｣




慧｢…その顔…… もっと見せて…？｣






不覚にもドキッとした言葉が降ってきて
ベットに簡単に押し倒されてしまった





ここが、自分の部屋でよかった








｢…んぅ、慧……｣






慧｢だーめ、もっと見せて？｣






いつしか、唇じゃなくて
体全体にキスを落としていく慧






こうしたかったの、そう言ってるように









お願い神様
もう少し、彼との時間をください

28話→←26話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す