化け猫はモルモット -Kei inoo-

過去編 ページ24

慧side




今日は実験当日




ガラスの向こうでは、慌ただしく人が動いている





俺はただその人の流れをぼーっと眺めるだけ





なんで人なんかを猫にしようとするんだかね





変な実験だよ






『…そろそろ時間だ、そこから出ろ』





俺は重い腰を起こして
何言ってるかわからない男の人に腕を引かれた





いや、英語とか俺知らないし……







入れと言われて入ったのは
明らかにガス実験室だ







いつからだろう
閉所恐怖症になったのは








慧｢や、やだっ……行かないでっ…｣









『大人しくしてろ、すぐ楽になる』









いまさら、逃げるなんて出来ない









殺して



こんな俺を




殺して……？









でも、怖いんだ
助けてほしんだ









俺は、重い鉄の扉の中に閉じ込められた









慧｢っ…開けろっ！！！…やだっ！！！！｣









俺の声がやけに響く
この空間






開けようと必死に細い手をグーにして
壁を殴った





骨が折れる音がする
そんなの関係なかった






そして






ｼｭｩｩｩ______









ガスに包まれた









慧｢…っあ…い、きが…ｶﾊｯ｣









そこからの記憶はない









目覚めたら視線が低くなっていたのは
覚えてる

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