〇慧side ページ4
慧「それはそこにお願いします」
「慧〜、これは?」
慧「それは...俺の部屋でいいや」
あの日の事からAの記憶の状態が不安定になって行って
俺はいてもたっても居られなくて、2度目の同棲生活をスタートさせることにした
『では、私たちはこれで』
慧「ありがとうございました〜」
「ありがとうございました!」
あの日を境に山田の記憶が全くなくなってしまったA
正直こんなに早く彼との記憶が無くなるなんて思ってもなくて、次は自分の番なんじゃないかって不安でたまらなかった
「あ、山田くんから連絡来てた」
慧「なんだって?」
「引越し作業お疲れ様、お昼食べにおいでって」
慧「まじ?早く片付けよ!」
Aは涼介ではなく、山田くんと呼ぶようになって
山田も山田で、彼女の前では笑顔で振る舞うから
心が痛い
「涼介のカルボナーラ食べたいっ」
慧「...そうだね」
そして度々記憶が一瞬戻る時もあって
その時は涼介って呼ぶんだ
彼女自身はそれに気がついてなくて
なんて残酷な病気なんだろうって毎日毎日感じてる
慧「Aおいで」
「...?」
新しく買ったソファの上で手を広げて
その上に彼女を座らせた
大丈夫、ちゃんとAはここに居るからって
確かめるように抱きしめる
「...どうしたの?」
慧「...んー?...Aを感じてるの」
「...ふふ、変な慧」
神様どうかお願いします
彼女から俺を消さないでください
慧「...っ」
俺はAにバレないように
少しだけ泣いた
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