隣の病室の伊野尾慧くん (ページ6)

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慧side ページ6

「…おーい」

慧「うわ、なに？！」

「やっと目が覚めたね、おはよう」

慧「君誰？」

俺の後ろに立っていたのは小柄で可愛らしぃ男の子
全然気が付かなかった、この子も生きてるって感覚がないな

知「…僕は知念侑李、君のことを生き返らせてあげたから感謝してね」

慧「はぁ？…頼んでないけど」

知「…でも、もう一度あの子に会いたいって言ってたでしょ？」

知念は外の廊下を指さした

あの子…
Aちゃんのことか…

慧「…俺はもう死んでるんだよね？」

知「死んでるよ｣

慧「死んでるのになんで…」

知「…君とあの子との時間は後1年持つか持たないかだから、あと君の体は1度死んでるから慎重に扱ってね」

俺の話聞いてる？
あまりにも淡々と話す知念に何も言えず
ただ彼の光の無い目をぼーっと見つめることしか出来なかった

知「じゃ、僕もう忙しいから帰るね」

慧「…え、」

そう言うとふわりと姿を消した
なんだったんだよ全く意味がわからない…

“あと1年持つか持たないかだから”

慧「…」

「伊野尾くん？…どうしたの？考え事？」

慧「…んん、なんでもないよ…えいっ」

「わ、風邪移るよ？」

慧「あったけぇ」

「伊野尾くんはいつも冷たい…ね」

慧「へぇ…？そうかなぁ……？それより、早く熱下がるといいね」

「…うん」

今はこの子の一番近くで
この暖かい体温を独り占めしていたい