隣の病室の伊野尾慧くん (ページ4)

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涼「…今日は安静にすること」

「はぁい……」

毎日のように隣の病室へ遊びに行っていた私の体は
知らぬ間にかなりダメージを与えていたようで
高熱が出てしまった

今日は伊野尾くんに会えないな…
担当医の涼介先生は怒ると怖いから…
俺の命令は絶対な？みたいなとこあるからさ

「…涼介先生」

涼「ん？」

カルテを見ながら返事をする涼介先生

「…隣の部屋って空き部屋？」

涼「隣？あー、随分使ってないな」

やっぱり伊野尾くんは入院してるんじゃないんだ…

私の中で何かが確信へと変わっていく
いつも冷たい伊野尾くんの手、血色のない肌、光のない目の奥

「…そう…なんですか」

涼「あれだろ〜？子供達が噂してるからだろ？｣

「ちがっ…！気になっただけ」

涼「ふふ、わーったから、今日は早く寝なさい」

ぽん…と優しく涼介先生の手が乗せられる

「っ…」

涼「…ん？どした？」

先生に伊野尾くんの話をしたら…
もう会えなくなる気がして

2人だけの秘密だよ

そう言う伊野尾くんの顔が脳裏に過ぎる
私は口を噤んだ

「…なんでもない、おやすみ先生」

涼「ん…なんかあったら呼んで？」

「はぁい…」

とにかく今は熱を下げて早く元気にならないと