14 宗教共同体 ページ18
このゲームに参加しているということは、それは理由があるからで。
その理由となる原因がなければ、彼女はもしかしたら、ただ普通に女性としての幸せをつかめていたのではないか?
自分の婚約者と、彼女を重ねてしまう。
彼女は、あの子ではないと言うのに。
「イライ様?」
「あ、嗚呼。何だい?」
「いえ、寂しそうな顔をしていらしたので」
「.....何でもないよ。ねぇ」
「はい」
「君は、
_____神様はいると信じているかい?」
彼女の瞳が微かに揺れた。見開いた訳ではないけれど、どこか、何かしら思うことは.....あるのだ。
「.........ええ。シスターでもありますし、Yes以外に答えることはできません」
「ふふ、そうだったね。じゃあ.....君は、邪神をどう見る」
瞳の奥を透かす。彼女のそこは仄暗く、何処か霞みがかってると見えた。
この手の職業者は難しくて分かりやすい。
「私は」
君は。
「私は、それらも全て。神、と見ます」
僕たちの仲間だ。
「君はハスター様.....黄衣の王をどう思う?」
「黄衣の王....?」
「もしかして、会ったことはないのかい?」
「まだ一戦しかしていなくて....」
なるほど。ゲーム事態に参加していなかったのか。
この情報が欲しかったはずなのに.....思わないところで僕は少し暴走し始める。
「そうか。今度ハスター様に君のことを紹介してあげるよ」
「よろしいのですか....?」
「勿論」
これはもしや、と思ってしまったんだ。チャンスではないか......と。
信者は多くて困らない。
この館には神すら信じないと言う輩もいるだろう。その中で彼女のような人は貴重な人種なのだ。ここで逃すわけにはいかない。
「君もハスター様を信仰しないか?」
「ハスター様」
「我が王、ハスター様だ」
「.....そ、そうですね。宗教の関係も見ながら....前、前向きに検討させていただきますね......」
「うんうん。そうするといい。」
中々話のわかる人じゃあないか。前向きに検討すると言う彼女を見て満足する。
信者になるなら疑う必要なんてない。
全てを捨て信者になるだろうから、過去も目的もどうでも良くなる。
仲間に疑いの目を向ける気などさらさらない。梟も嬉しそうにくるくると鳴いている。....多分。
占うまでもない、素直な人だと僕は思った。
嗚呼、フィオナも呼んでこの話をしよう。
ハスター様様もきっと彼女のことを気に入ってくださるだろう。
また誘おうと思った。
彼女の膝の上、うたた寝をする梟を見て微笑んだ。
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吾亦紅@サキマキ(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» コメントありがとうございます。若干オラついている納棺師くんが好きので俺という一人称にさせていただいています。解釈違いなどもあると思われますがご了承ください。最高と言ってくださってありがとうございます!作者冥利に尽きます。ありがとうございました! (2019年3月19日 3時) (レス) id: 451092673a (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あれ?納棺師って僕じゃなかったっけ一人称、まぁ、そんなことはどうでもいいとして最高すぎやしないかこの小説(( (2019年3月19日 2時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
吾亦紅@サキマキ(プロフ) - 鯖原さん» コメントありがとうございます!記号の使い方こだわってるというか気をつけているのでそう言って頂けてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2019年3月16日 20時) (レス) id: 451092673a (このIDを非表示/違反報告)
鯖原(プロフ) - わー!申し訳ありません、下の激は劇の誤字です…!お恥ずかしい…。連投申し訳ありません。 (2019年3月16日 19時) (レス) id: f8b777af63 (このIDを非表示/違反報告)
鯖原(プロフ) - コメント失礼致します。とても素敵です…!一つの激を見ているような感じで、凄く惹き込まれます…!言葉の使い方や!の記号の使い所が上手で本当に面白いです!ご無理のないように作者様のペースで更新頑張って下さい。 (2019年3月16日 19時) (レス) id: f8b777af63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吾亦紅@サキマキ/ふぉーす | 作成日時:2019年1月31日 2時