天邪鬼の奇才プレイヤー２ (ページ42)

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電話の音ページ42

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ロシア戦から5日経ち、迎えた最終戦のカナダ。

スタメンが発表されたがそこに俺の名前はなかった。
後々、祐希や有志と共に出していくんだろうな。

W杯前に悩んでた翼もスタメン入りしてるし頑張って欲しいな。

試合前にゆっくりストレッチしながら今日のゲームについて考えていた。

周りには代表が全員いてもう終わってしまうW杯について思い馳せていた。
そんな中、俺のスマホがけたたましい音で鳴り出した。

スマホを持って部屋を出て電話をとる。

聞こえたのは焦る母さんのロシア語。
母さんの話しなんて聞かなくても何があったなんてすぐに分かった。

母さんの声が聞こえなくなり、電話越しに向こうの様子を探ると、
聞こえる無機質な音と母さんの鼻をすする音。

不思議と涙は出なかった。

母親「A、最後まで楽しんでバレーしなさい。
父さん、あなたの笑顔が大好きだから。」

涙声で言われた言葉にただ一言、

「いってきます」

そう返して母さんとの電話を切った。

部屋に戻るとみんなはいなくてアリーナに行ったと言われた。
スマホをバックに入れてアリーナに向かう。

そしてマサと監督に声を掛けて、試合前の気合い入れに向かった。

全員で歩く道でみんなに話しかけれられるけど、
上手く笑えてるか不安だった。