天邪鬼の奇才プレイヤー２ (ページ12)

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狂気ページ12

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マサからロシア語で挨拶された時はめちゃくちゃびっくりした。
もう気づいてるんじゃないかと思ったけど、それは見当外れで。

バレたくはない。けれど、俺の事覚えてるかな。と怖くなった。

でも、そんな邪念はバレーに必要ない。
今は相手をどう翻弄してチームが勝つか。それだけを考えたらいい。

時間をかけてストレッチを終えてコートエンドから7歩の所に立つ。

そして、左手でトスを上げて高く跳び右手でボールを打つ。

うん、今日も調子良いみたい。
俺の統計上、調子悪い日はどこか怪我してる時。

打ったボールは床に強く叩きつけられて跳ね返った。
そのボールの行方を目で見届けて2本目を打つ。

相手にどんなボールを打つのか見せつける。
でもこのサーブは試合では使わない予定。

この強打がくると思って用意したヤツが負ける。
バレーに用意なんて無駄な努力。

試合前の俺周りから見るとめちゃくちゃ怖いらしい。
目力で人をころせるってイタリアで言われたっけ。

気迫。

そう言えばかっこいいのにペルージャの仲間たちは、
狂気、そう言い切った。

そんな事ないのになあ。
ただ今日のゲームどうしようかなって考えてるだけなのに。